【イベントレポート】
韓国の衛星ブロードバンドソリューションが日本上陸■URL
インターネットビジネスの業界関係者向けイベント「Internet World Asia 2002 / Streaming Media Asia 2002」が12月4日から6日までの3日間、東京ビッグサイトで開催されている。ここでは、各社が映像配信ソリューションを紹介している。MPEG-2やMPEG-4のネットワークエンコーダー/デコーダーの展示が目立ったが、ブロードキャストに適しているということで通信衛星によるIPベースの中継システムもいくつか出展されていた。 その一つが、地震計など衛星通信技術を利用したデータ観測システムを開発・販売する白山工業のブース。同社が10月に国内総代理店となった、韓国PentaMedia社の双方向衛星ブロードバンドソリューション「TIS(Tunnel in the Sky)」を展示していた。 PentaMedia社はIP衛星システム専門のベンチャーで、TISは、デジタルテレビ放送の方式を定める国際標準規格「DVB(Digital Video Broadcasting)」に準拠した製品である。かねてより、ダウンリンク(下り通信)のみを衛星回線で行なうシステムを出荷しており、韓国テレコムの提供する「Megapass Sky Internet」でも採用実績があるという。アップリンク(上り通信)は地上回線を利用することになるが、「トンネリングDVB/IPプロトコル」により、プロキシーサーバー不要のアップリンクシステムが構築できるのが特徴だった。 これに対して白山工業が販売するのは、「DVB-RCS(Digital Video Broadcasting-Return Channel Satellite)」規格に準拠した製品で、アップリンクも衛星回線で行なえる。直径約90cmのパラボラアンテナでダウンリンクが2Mbps~45Mbps、アップリンクが128kbps~2Mbpsの接続環境を構築でき、1つのハブ局で最大2万局の衛星端末を管理できるという。会場には規模に応じて選択できる2種類の衛星端末が展示されており、今後、衛星回線事業者などと共同で販売していく考えだ。 PentaMedia社のMike Kimマーケティングディレクターは、日本でも衛星IP通信サービスが提供されてはいるものの、やはり別に地上系回線を用意しなければならないのが普及につながらなかったと指摘。アップリンクも衛星回線で行なえるDVB-RCS準拠のTISシステムであれば、日本国内でも十分に市場が期待できると強調する。さすがに都市部の拠点だけを結ぶのではコスト的なメリットはないが、例えば、広域に点在する企業の支店などをカバーするイントラネット構築に利用すれば、地上回線と比較して10分の1のコスト削減も可能だという。 ◎関連記事 (2002/12/5) [Reported by nagasawa@impress.co.jp] |
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