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【イベントレポート】

〜IAjapanエグゼクティブフォーラムの基調講演にて

日本のサイバーテロ対策技術はFBIにも引けを取らない〜警察庁熊谷氏

■URL
http://www.iajapan.org/iw/iajapanforum2002.html
http://internetweek.jp/
http://www.iajapan.org/

 19日、財団法人インターネット協会(IAjapan)は「IAjapan エグゼクティブフォーラム〜どうなる日本のIT!〜」を開催した。このフォーラムは、パシフィコ横浜で16日より行なわれているイベント「Internet Week 2002」の一環として実施されるもので、20日まで開催されている。ここでは、警察庁情報通信局技術対策課課長補佐の熊谷勉氏が「サイバー犯罪の現状と課題」と題した基調講演を行なった。

○ハイテク犯罪ではログが全てと言える


警察庁情報通信局技術対策課
熊谷 勉 課長補佐
 熊谷氏は、まずサイバー犯罪の特徴として「高い匿名性」、「無痕跡性」、「被害の不特定多数性」、「時間的・場所的無限定性」の4つを挙げた。この中でも特に匿名性や無痕跡性に関しては、サーバー側のログが保全されてなければ、それ以上犯人を追跡するのは非常に難しいという問題があり、「ハイテク犯罪捜査では、ログが全てと言える」と、ログの重要性を語った。その捜査の要ともいえるログについても、簡単に消せることや、比較的改ざんが容易な点が、さらに「足がつきにくい」状況を生み出しているという。

 次に、ハイテク犯罪に関する警察への相談件数について語った。2001年度の警察へのハイテク犯罪に関する相談件数の合計は1万7,277件となっているが、これを警察官が2,000人規模の県警の場合で考えると、県警に配置されている情報セキュリティ・アドバイザー1人が年間170件程度対応しなければならない数だという。この数字は、出勤日数などを考えるとギリギリの数字で、これ以上相談件数が増えるようであれば、根本的な対策が必要だとしている。

 実際の検挙事例では、ネットワーク犯罪(ネットワークが通常の犯罪に何らかの形で関与している犯罪)の中でも児童買春・児童ポルノ法違法事件が多くを占めている点や、「WinMX」の検挙ではサーバーやログが無いために苦労した点などを語った。

 ハイテク犯罪に関しては、基本的に犯罪捜査は各都道府県警察が行ない、都道府県警察間の連絡や技術的支援を警察庁の技術対策課や技術センターが行なう体制になっている。警察庁では、あらゆるセキュリティーホールなどの検証用に、大部分の種類のOSを、それぞれバージョン毎やパッチ適用毎に用意しているという。例えば、Windows OSであれば、Windows 98の全くパッチを当ててないサーバー、○月○日までのパッチを当ててあるサーバーなど、ほとんど全ての種類を用意して検証を行なっている。

 このように、実際の捜査は各都道府県で行なうものの、ログを保管しているISPやサーバーがほとんど東京に集中しているため、捜査を行なうたびに東京へ出張する必要性が発生し、捜査費用が増えてしまうという問題がある。さらには、多くのハイテク犯罪の場合は刑が軽いため、そのほとんどが略式命令で終わってしまい、捜査費用や労力の割には投資対効果が低いと言わざるを得ない状況とのことだ。

○日本のサイバーテロ対策技術は、FBIやシークレットサービスにも引けを取らない


 次に熊谷氏は、9-11以降ハイテク犯罪と並んで重要視されているサイバーテロ対策について語った。サイバーテロの特徴として、「攻撃に要するコストが低い」、「専門的技術者さえいればよい」、「匿名性、無痕跡性」、「地理的・時間的制約がない」、「経済・社会に多大な影響」などを挙げている。

 実際にサイバーテロの脅威を示す事例として、2001年2月の中国人ハッカーによるホームページ改ざん事件や2001年3月の歴史教科書問題に係るサイバーデモが紹介された。歴史教科書問題は、非常に多くの人間が予め定められた時間に特定の攻撃対象のサイトへアクセスを集中させることによりサーバーの正常な機能を難しくするというもの。この攻撃を受けた団体では、この日一日のログの量が2GBに達したという。また、このようなツールを用いた攻撃ではなく、不特定多数の人間がマニュアルで攻撃するのは非常に捕まえるのが難しいとしている。

 具体的なサイバーテロ対策では、「サイバーフォース」が活躍している。サイバーフォースは全国に約60人程度配置されており、都道府県警察と連携したサイバーテロ対策のための機動的技術部隊の通称だ。主に、攻撃手法等の情報収集や防御手法等の研究開発、重要インフラとの連携、脆弱性評価、事案の認知・緊急対処などを行なっている。特徴的なのは脆弱性評価で、W杯の際にはテロの標的となり得る重要インフラや自治体など400社に対して脆弱性を検査を行なった。検査を行なった企業の中には、この検査がトリガー的役割となってセキュリティー強化を行なった例もあるとのこと。

 また、サイバーテロ対策で重要となるのは海外関係機関との連携で、これを強化するために「海外関係機関との研修生の交換」や「サイバー犯罪技術情報ネットワークシステムの構築」、「アジア・太平洋地域ハイテク犯罪技術対策実務者会議の開催」などを行なっている。研修生の交換では、米のサイバーテロ対策機関であるFBIやシークレットサービスに実際に研修生が送られており、FBIなどでは日本人研修生が余りにも優秀なため最前線で働かされる例もあるという。しかし、このように、サイバーテロ技術においては日本も米国に引けを取らないレベルに達している一方で、分析力がまだまだ追いつかないとのこと。今後は、HDのデータを分析する際などに「如何に原本性を保持しながら解析できるか」を課題として、ツールなどを開発したいと抱負を語った。

 熊谷氏は最後に今後の課題として、国際連携を強化するために必要な国内法の整備や、ログの保存問題、ホットスポットの脆弱性問題、メディアの多様化と110番を挙げた。メディアの多様化と110番では、IP電話の普及により110番に掛けられてきた個人の特定、いわゆる“逆探知”が難しくなり、これが原因で脅迫電話や拉致などが起こってしまう可能性があるなど、今後出てくるであろう新しいメディアに、常に捜査技術を追いつかせることへの必要性を語って講演を締めくくった。

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[Reported by otsu-j@impress.co.jp]

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