【サービス】
オンラインDVDレンタルの会員獲得競争が早くも激化か?値下げキャンペーンにアダルト料金廃止も■URL この秋、国内でもサービスがスタートしたばかりのオンラインDVDレンタル市場で、会員獲得競争が激化しそうな気配を見せている。入会金の無料キャンペーンを開始したり、早くも利用料金を実質的に値下げしているところも現われた。 本誌11月25日号掲載の特集記事では、株式会社ウェブ・デリバリー・システムの「ウェブデリDVD」、バリュークリックジャパン株式会社の「DVD ZOO」、株式会社レントラックジャパンの「DISCAS」、株式会社オン・ザ・エッヂの「ぽすれん」という4つのサービスについてとり上げたが、このうちウェブデリDVDとぽすれんでその後、値下げキャンペーンなどが行なわれている。 まずはウェブデリDVDだが、1月31日までのキャンペーン期間中、通常4,000円の入会金を半額の2,000円に値下げ。月額料金も同じくキャンペーン期間中は、入会月について無料で提供する。さらに12月から開始したアダルトDVDオプションは、当初予定されていた月額1,000円を廃止。月額利用料の1,980~3,980円のみでアダルトDVDも借りられるように実質値下げされた。ぽすれんでは、通常1,000円の入会金が12月31日まで無料に。初年度保険料の1,000円のみの課金となるため、入会時の初期費用が実質的に半額になっている。 なお、DVD ZOOは入会金、月額利用料ともに変更ないが、実はこれも先行値下げと言える。当初は入会金が4,000円と発表されていたのが、本サービス移行とともに半額の2,000円に変更。また、当初はアダルトDVDが借りられるコースは通常より1,000円高い月額3,980円と発表されていたが、これも本サービス移行時に廃止され、月額利用料2,980円のコースに一本化された経緯がある。
12月に入り、DVD ZOOとぽすれんでは携帯電話から利用できるモバイルサイトも開設した。ほぼ一斉に始まった国内のオンラインDVDレンタルも、サービス面において徐々に差別化が図られるようになってきている。とはいえ、携帯電話からはまだまだ使い勝手がよいとは言えず、これが今後、オンラインDVDレンタルの利便性とどう結びつくのか、また、どの程度アドバンテージになるのかは見えてこない。 一方、月額利用料はアダルト込みで2,980円と標準的だが、もともと入会金なしという設定で、2週間の無料お試し期間も設けてたDISCASは、料金面で他社と差別化が図られていた。各社の値下げは、一部キャンペーンという位置づけとはいえ、手っ取り早くユーザーに訴求できる料金面を見直すことで、会員の獲得増を狙ったものと言える。 ただし、これらはあくまでも入会までのハードルを下げるものであり、今後も継続して利用されるかどうかは、サービス面での差別化にかかってくるのではないだろうか。例えば、米国でオンラインDVDレンタル市場を確立させた米NetFlixでは、見終わったタイトルから1枚ずつ返却して次のタイトルが借りられる仕組みが提供されているという。国内でも同様のサービスが期待されるところだが、関係者によれば「おそらく日本の郵便料金は米国の3倍くらい。このままの月額料金では採算に合わない」という。国内でオンラインDVDレンタルの市場を確立するには、米国とは別の方法でサービスの利便性を追求する工夫が必要となりそうだ。 ◎関連記事 (2002/12/24) [Reported by nagasawa@impress.co.jp] |
|