【時事】
読売新聞がティッカー配信会社を相手に損害賠償訴訟ニュース記事の見出し引用は
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WebサイトにLINE TOPICSを導入する際は、色やデフォルトで流れるニュースのジャンルなどをカスタマイズできる。これは、LINE TOPICSのWebサイトに貼られた例 |
読売新聞は、Yahoo! ニュースに記事を提供しているうちの1社で、同社が著作権を有する記事の見出しがLINE TOPICSで“一行ニュース”として配信されていると判断した。「この行為は、対価を支払うことなく、電光掲示板で読売新聞の記事見出しを使用しているのと同視できる」(読売新聞東京本社広報部)としており、LINE TOPICSの導入サイト数から少なくとも10月から11月の2カ月にわたり1万3,000機の電光掲示板で使用されたと仮定。その使用料にあたる6,825万円を損害賠償額として算出した。
一方、デジタルアライアンスからすれば、LINE TOPICSで配信しているのはあくまでも“リンク”という位置づけである。実際、Yahoo! ニュースをベースとしていたのは記事ページへのフリーリンクが認められているためであり、ヤフーとの間でコンテンツの二次利用に関して契約関係が結ばれていたわけではないという。
実はヤフーでは2001年5月、デジタルアライアンスに対して抗議していたというが、この時の抗議内容は主として、LINE TOPICSでの利用が「コンテンツ等の商用目的での利用を禁じた『Yahoo! JAPAN』の利用規約に違反している」(ヤフー)というものだった。ディープリンクの是非をめぐる議論はあるだろうが、ヤフーもネット上でコンテンツを無料公開している企業である以上、リンク目的の引用を歓迎はしないまでも、さすがに著作権侵害だとは言い切れないのかもしれない。
とはいえ、ニュースの見出しそれ自体を著作物とみなす考え方があるのは事実だ。これがティッカー形式で表示されれば、果たしてリンクと呼べるのかどうかの判断は難しい。読売新聞の主張にあるように、“一行ニュース”の配信とみなされてもいたしかたない面はある。
デジタルアライアンスでは今のところ、まだ訴状が届いていないために今後の対応方針についてはコメントはできないとしている。今回の訴訟では、どこまでがリンクの範囲内でどこからが著作権侵害にあたるのか、リンクの解釈についての司法判断に発展する可能性がある。
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(2002/12/26)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]