【セキュリティー】
12月および2002年度のウィルス・不正アクセス届出状況を発表「Klez」が年間届出数史上最多の約1万件に~IPA発表■URL 情報処理振興事業協会(IPA)は10日、2002年12月度および2002年度年間のウィルス届出数と不正アクセス届出状況を発表した。12月のウィルス届出数は1,135件(11月1,408件)、2002年度の届出数20,352件(2001年24,261件)と共に減少した。一方、不正アクセス届出数は、12月が22件、2002年度では619件。特に年間届出数は過去最高だった。 ○Klezに始まり、Klezに終わった一年間~ウィルス届出 12月のウィルス総届出数は1,135件で、11月より減少しているものの、Klezは「Happy Christmas」や「Happy New year」などの件名を持った亜種が発生したこともあり465件と最多だった。次にBugbearの133件、OpaservやRedlofの67件が続く。 2002年のウィルス年間届出数は20,352件で、前年と比較して約4,000件減少したものの、そのうち約半数の9,648件を「Klez」が占め、1種類のウィルスの年間届出件数としては史上最多となった。この要因は、「Klez」のFrom欄詐称によって感染に気づかないユーザーが多いためだと考えられる。このことは、IPAの提供する年間の届出推移グラフで、届出件数ピークの1,943件(5月)からの衰退が遅いことからも推測できる。
○ポートスキャンが大幅に増加し、届出件数過去最多に~不正アクセス届出 12月の不正アクセス届出総数は、22件で2002年中最少で、侵入被害も1件だった。一方年間届出数は619件で、昨年の550件を大きく上回り過去最高届出件数となった。 過去最高となった要因は、届出種別を見ると明らかだ。2001年度と比較してワーム感染が184件から6件へ大幅に減ったものの、アクセス形跡(未遂)、いわゆるポートスキャンの件数が96件から356件へ大幅に増えている。その他の項目は特に変化が無いことから、この差分だけ報告件数が増えたことになる。 また、届出者が2001年の一般法人43%、教育・研究機関27%、個人30%と比較して、2002年は一般法人24%、教育・研究機関9%、個人67%と、個人からの届出が2倍程度に増えていることがわかる。IPAによると「ADSLや常時接続の普及により、ルーター等の導入率が高まり、個人ユーザーがルーターのログを見る機会が増えた。このログからポートスキャン形跡を見つけたユーザーが報告してきた例が多い」とのこと。 IPAでは、常時接続の普及により、ポートスキャン以外にも不正アクセスを受ける危険性が高まっており、インターネットを利用する上ではパーソナルファイアウォールやInternet Explorerのセキュリティーパッチの適用などを必ず行なうように推奨している。
◎関連記事 (2003/1/10) [Reported by otsu-j@impress.co.jp] |
|