【新製品/サービス】
家庭ユースを主眼に、子供のアクセス記録配信もマイクロソフト、専用ソフトを利用する
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MSN 8の画面 |
「MSN 8」は同名の専用ソフトを用いて利用するオールインワン型のサービスで、家族でのインターネット利用を想定して開発されたという。1契約で8人分までのアカウントを無料で追加でき、最大9人(本人+追加の8人分)がアカウントを切り替えて、それぞれパーソナライズした環境で利用できるのが特徴だ。
同サービスではWebブラウズ、電子メール、カレンダー、「エンカルタ百科事典」、「フォトアルバム」といった機能を提供する。このうちまず電子メールでは、添付ファイルに対するウイルスの検知・駆除を自動で行なう機能を付加。またデジカメ画像付きのメールを加工する「絵はがき風メール」や、「Microsoft Word」などが装備している「Word Art」機能を導入し、ビジュアル性の高いメールを簡単に作成できる。「エンカルタ百科事典」は、マイクロソフトの「エンカルタ総合大百科事典」の情報をオンラインで検索できるもので、4万件近い百科事典項目に加え、写真や動画、音楽などを豊富に収録したコンテンツを利用できる。また内容は常にアップデートされ、最新の時事問題にも対応しているという。「フォトアルバム」では、100MBのオンラインストレージを利用して画像保管や共有ができるほか、付属ソフト「Picture!It Express」と連係した写真のレタッチや編集にも対応している。
こうした機能を「MSN 8」から効率よく利用できることに加え、「ダッシュボード」と呼ばれるメニューエリアで、未読メールやインスタントメッセンジャーのオンラインメンバー、スケジュールなどをまとめて表示することもできる。
また家族での利用を想定していることから、アクセス制限機能を充実させた点も特徴だ。特定のカテゴリーやURLへのフィルターを設定できる「Webページフィルタ」をはじめ、子供がメールやインスタントメッセンジャーを行なう相手を承認する「コミュニケーション相手の確認」、有害なファイルやゲームのダウンロードを防ぐ「ダウンロード制限」などの機能を持つ。子供ごとにアカウントを設定すれば、例えば小学生の次男にはこのサイトは見せないが、中学生の長男は見てもよいといった設定も可能だ。また子供のインターネット利用状況(利用時間、見たサイト、見ようとしてブロックされたサイト、メールなどの相手)を1週間ごとにメールでレポートする「オンライン活動レポート」機能もある。ISPなどでコンテンツフィルタリング機能を提供するサービスは以前からあるが、1サービスでここまで詳細なアクセス制限を行なえるのは、国内初ではないかという。
「MSN 8」はソフトをインストールし、ソフト上からサインアップすることで利用可能となる。サインアップ後1カ月はお試し期間として無料で利用できる。ソフトはInternet Explorerのコンポーネントを利用しているとのことで、対応OSはWindows 98/Me/2000SP2/XP、320MBのインストール用ディスク領域が必要となる。米国では接続サービスを含む形式でも提供しているが、日本ではソフトとサービスのみの提供で、接続は別途ISPとの契約が必要となる。ただ、「初心者にはすべて含む形があったほうがいい」(マイクロソフト株式会社MSN事業部の塚本良江事業部長)という観点から、日本でMSNがISP事業をやることはないものの、今後他社とネットワークパートナーとしての提携も視野に入れる方向だ。
塚本氏は「MSN 8」について、「月額1,000円を超えるサービスはチャレンジだが、使いこなしていけば充分バリューはある。どうやって使ってもらえるかが課題」と発言。MSNの月間ユーザーは現在約2,000万人だが、このうち「10%を『MSN 8』にもっていきたい」(塚本氏)と目標を語った。なお「MSN 8」スタート後も「Hotmail」の追加容量サービスなどの有料サービスは継続する方向で、現在同サービスのユーザーは三百数十万人、うち数%が有料サービスを利用しているという。
マイクロソフト代表取締役社長の阿多親市氏(右)と塚本良江事業部長 | 子供のアクセスレポートの例。アクセス不可サイトには「親から許可を得て」とのメッセージが表示される | MSN 8のイメージキャラクターとして起用されたモデルの黒田知永子さん |
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(2003/1/28)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]