【行政】
欧州の電子化計画「eEurope」は
全体として成功している~EU発表
■URL
http://www.eu-kommission.de/html/presse/pressemeldung.asp?meldung=3922
http://europa.eu.int/rapid/start/cgi/guesten.ksh?p_action.gettxt=gt&doc=IP/03/220|0|RAPID&lg=EN;
欧州連合(EU)は、2000年から行なっている社会全体の電子情報化計画であるアクションプラン「eEurope」が成功裏に行なわれているとの見解を明らかにした。
eEuropeは、1999年にEU域内での情報社会の確立を目指して実行することが決まったアクションプランで、研究開発のほか、教育、労働、アクセシビリティ、電子商取引、電子政府、健康、コンテンツ、輸送・交通などの分野でIT・ネットを積極的に導入するための種々の施策が実施されている。2000年6月にはその改訂版であるeEurope2002が採択され、2002年まで実行された。現在では2002年5月に採択されたeEurope2005が2005年までの計画で進行中だ。
eEurope2002の結果、eEuropeの実施の前に比べてインターネットの普及は倍以上になるなど、一定の成果が上がっている。このような環境の中、欧州は世界における情報化レベルで先端を走っていると分析。これまでのところ、eEuropeの成功は実証されているとしている。
今後も2010年を1つの契機として、情報化社会での競争力をつけるために、普及の段階から実用への転換を図るための速度の向上(ブロードバンドの普及)や安全性の向上(セキュリティレベルの向上)が必要であると欧州委員会の企業・情報社会担当のエルッキ・リイカネン委員は指摘。現在の最大の目標として、ブロードバンドの普及とセキュリティの保護を挙げた。去る1月28日には「ブロードバンドの日」と称してブロードバンドの普及を一般市民に呼びかける行事を行ない、さらに安価なブロードバンド環境が2005年までに各国で導入されるよう各国に義務づけるなど、かなり強制力のあるアクションプランとなっている。また、セキュリティーの保護という面では、専門外局の設置もこのほど決まっている。
eEuropeは全体として成功しているとの自賛の発表となったが、実際には加盟国同士の温度差もある。例えばネット先進国のスウェーデンなどの北欧諸国と南欧との格差は現前に存在する。また、EUの拡大にともない、中東欧諸国のネットレベルとの調整も必要となってきた。2010年までの課題は多そうだ。
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(2003/2/17)
[Reported by Gana Hiyoshi]
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