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米GracenoteがCDDBとMP3エンコーディングSDKを非商用に限りロイヤリティなしで提供■URL 米Gracenoteは24日、「Gracenote Encode Software Development Kit」を非商用開発者に限り、ロイヤリティなしで提供すると発表した。CDDBのSDKでMP3エンコーディングやデコーディング機能、mp3PROのデコーディング機能を提供するのはこれが初めて。これは、MP3特許のライセンス元である仏Thomson社と音楽識別技術を持つGracenoteが、世界で広く使われている音声圧縮技術MP3に音楽識別技術を統合する必要性を認め、特別な提携関係に入ることにより実現したものだ。 音楽識別技術「Gracenote CDDB」は、楽曲のアーティスト、タイトル、トラック名、ジャンル、言語などさまざまな情報を集めたデータベースで、現在約180万のアルバムを収録しており、インターネット経由で利用できる。Gracenoteによると、この技術はWinAmp、iTunes、RealOne Playerなどで使用されているという。 通常MP3エンコーディング機能をソフトウェアに統合するには、Thomsonをはじめとするライセンス元から特許をライセンスして商用、非商用に関わらずロイヤリティを支払わなければならないが、今回発表されたSDKでは非商用に限りロイヤリティなしで利用できることになる。これによって、非商用開発者は、デジタル音楽ファイルを作成しつつGracenoteCDDBサービスを利用するようないわゆる「MP3ジュークボックスソフト」が開発できるようになる。 この場合の「非商用」の定義であるが、ライセンスの文言によれば、ソフトウェアの配布数が25万人以下でなければならず、それ以上になると自動的に商用開発者であるとみなされることになるようだ。Gracenote CDDBデータベースへのアクセス権利数は非商用の場合は、25万以下とされている。 今回の発表についてGracenoteのプロダクトマネジメントディレクターMelani Di Napoli氏は、「我々はThomsonと提携して無償のMP3エンコーディングを含む初めてのGracenoteSDKを提供できることを誇りに思っている」と述べた。またThomsonの特許ライセンス部門のニュービジネス担当副社長Henri Linde氏は「これはMP3とmp3PROテクノロジーに開発者がより簡単にアクセスし、統合するための重要な一歩である」と評価した。 現在Gracenoteの開発者向けページでは、このSDKのベータバージョンが公開されており、最終的な製品版は2003年4月中旬に発表される予定だ。 ◎関連記事 (2003/2/25) [Reported by 青木 大我 (taiga@scientist.com)] |
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