【業界動向】
ヤフー、株式売出しと融資でソフトバンクBBらを支援■URL
まず株式売出しでは、ソフトバンクBBから2万5,000株、ソフトバンクから1万5,000株の、計4万株を3月中旬に売却する。売却先は大和証券エスエムビーシー、野村證券、イー・トレードなど証券会社9社で、売出し価格は3月10~12日のいずれかに決定、価格決定後7営業日後に受け渡しが行なわれる予定だ。なおソフトバンクは2月26日にソフトバンクBBにヤフー株式2万5,000株を現物出資しており、ソフトバンクBBからの売出しはこの株式によるもの。 これに伴ない、これまでソフトバンクが50.4%、米Yahoo!Inc.が33.6%だった株主比率が、ソフトバンクが41.9%、米Yahoo!Inc.が33.6%(変更なし)となる。ソフトバンクのヤフー株式保有比率は50%を下回るが、ヤフーは引き続きソフトバンクの連結子会社になるという。 ヤフーの株式時価総額は約8,700億円(3月3日終値換算)で、これはジャスダック上場株式の時価総額で約13%を占めるという。また今回の株式売出しによって、東証一部上場における株主の持ち株比率の条件を満たすため、東証一部への上場が取りざたされている。これについてヤフーでは、「市場バランスなどの問題は確かにあるが、現在のところ一部上場は未定」としている。なおソフトバンクは、今回の売出しで約780億円を売却益として得る見込みだ。 一方、参加検討を表明したYahoo!BB事業に関わるファイナンススキームでは、資金面からソフトバンクBBをサポートする狙いがある。 このファイナンススキームとは、ソフトバンクBBの資産流動化のために設立される特別目的会社(※)の本邦支店(以下SPC)に対するもの。SPCは、複数の投資家から資金を調達し、ソフトバンクBBよりモデムおよびモデムに付随するレンタル契約(以下原資産)の譲渡を受け、その譲渡対価として、調達した資金をソフトバンクBBに支払う。またレンタル料収入として原資産から生み出されるキャッシュフローを、投資家に還元する流れになるという。(※特別目的会社 特定資産を担保にした証券の発行など、限定した目的で設立される会社。多くは税制的な優遇措置のある国で設立される) このスキームでの資金規模は全体で191億円程度が想定され、ヤフーはそのうち58億円程度について融資を行なう予定だ。ただ、スキームへの参加についてはまだ検討している部分もあり、3月中に結論を出す予定としている。 ◎関連記事 (2003/3/3) [Reported by aoki-m@impress.co.jp] |
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