【業界動向】
KDDI社長定例会見「IP電話サービスの相互接続先は可能な限り拡大」■URL KDDIの小野寺正社長は、社長定例会見を行ない、4月1日から正式サービスを開始するIP電話サービスについて説明した。利用者の利便性を最優先課題とし、相互接続先も可能な限り拡大していく方向だという。 ● IP電話サービスに乗り出す
なかでも、NTT東西の県間接続に関して弊害が出る可能性を指摘。「当社のような中継事業者や移動体通信事業者、IP事業者は、NTTは競争相手ではないと思っていたものがそうではなくなった。NTT東西の本音は、県間通信に進出して以降、これをテコに様々なことをやりたいと思っているはずだ。いまは、公正競争条件が整っているとはいえず、この点を引き続き、訴えていく」と話した。 固定電話におけるADSLの展開では、昨年末の段階で、「将来的には3割のシェアを獲得したい」と言及しており、これをさらに繰り返す内容となった。 小野寺社長は、「IP電話の本格化を前に、DIONの拡販に力を注いできたが、2月の状況を見れば、その成果が出てきていると見ている。問題は、DIONならではの独自色をどう出すかという点だが、これは頭の痛い問題でもある。社内には、非価格競争力をつけないと駄目だといっている。そうしないとお互いに苦しくなるだけだ。他社に先駆けて、かけつけ設定サポートを実施するなどの付加価値サービス開始したが、他社も追随しており、もう一歩先を行くサービスが必要だと思っている。KDDIおよびDIONを信頼のブランドであるということを訴えたい」と語った。 ● イラク情勢は、長期化すれば業績にも影響?なお、今回の会見では、米国によるイラク攻撃のリミットが間近に迫っていることから、その影響にについても見解が述べられた。 小野寺社長は、「イラクへの攻撃が発表されてから電話のトラフィックが増加しており、2ルートを4ルートに増やすなど、トラフィックの増加に対応している。イラク対地向けの回線は確保するように精一杯努力はするが、イラク側で回線を切られると手の施しようがない。回線が確実に確保できるとは言い難い状況にあるのは事実だ。報道関係向けの取材用の回線については迷惑をかけないように確保したい」と話した。 また、「GPSサービスに関しては、米国がどんな対応をするのか、まったく情報がないため、影響を受けるとも受けないともいえない。もしかしたら、多少精度が悪くなるという影響がでるかもしれない。だが、基本サービスが停止されるということは考えられない。サービスを続けることは可能だと判断している」とした。 業績への影響に関しては、「イラクへのトラフィックそのものは、全体のなかで非常に小さく、業績への影響はほとんどない。だが、3月の携帯電話の加入状況は好調であるものの、戦争が長引くと消費マインドの低迷に影響を及ぼすだろう。その点が懸念される。9.11の経験からいうと、事件直後は安否確認のためにトラフィックが増加したが、その後は対米へのトラフィックが急激に減少。回復したのは3月になってからだ。渡航制限によって、ビジネスマンの渡航が減れば、それが国際トラフィックの減少につながる」と、長期化することによる業績への影響を懸念した。 ◎関連記事 (2003/3/19) [Reported by 大河原克行] |
|