【実験結果】
四国総合通信局、列車でのモバイルインターネット実験結果を報告
■URL
http://www.shikoku-bt.go.jp/news/2003press/200304/20030402_annex.pdf
総務省四国総合通信局は、1月に特急列車「いしづち」を使って実施した「列車インターネット」実証実験の結果を発表した。実験はおおむね良好で、参加者の7割が「良かった」と評価している。
実験はJR四国・予讃線を走る特急「いしづち」の高松・松山間で行なわれた。車外へのアクセス方法は、停車駅では2.4GHz帯無線や高速無線技術で、走行中は携帯電話で接続。モニター参加者には、2.4GHzの無線LAN端末が貸与された。接続方法が変更されても同一IPアドレスを維持する「モバイルIP」技術が採用されたのが特徴的だ。また、動画やニュースなどの大容量コンテンツは、駅停車時に25GHz帯や60GHz帯無線を使って車内サーバーにダウンロードした。
実験の結果、さまざまな無線技術をまたがったシームレスな接続が可能であることが実証されたほか、従来歩行速度程度が限界とされていた5GHz帯のOFDM方式無線LANが時速100キロの高速移動環境でも通信可能ということがわかった。また、コンテンツのダウンロードに利用された25GHz帯は、移動体通信に向いていないと評価されていたが、移動体への高速ダウンロードが十分できることを実証。停車時間の関係で未完了分の差分更新も予定通り作動したという。さらに60GHz帯では、280Mbpsという高いスループットを記録した。
実験に参加したユーザーの半数が体験目的の乗車であったほか、7割が「良かった」という評価を下したという。提供されたコンテンツには、「いまどこ情報」「インターネット」「LIVE車窓風景」「電子ニュース」の順で興味を示していた。
列車インターネットの実用化に向けた課題としては、携帯電話での接続区間の通信速度の遅さが指摘された。また、旅客向けサービスだけでなく業務利用に向けたセキュリティ面の強化も望まれている。
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(2003/4/3)
[Reported by okada-d@impress.co.jp]
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