【著作権】
「著作権とIT社会は適合しない」独マルチメディア団体が声明
■URL
http://www.dmmv.de/de/7_pub/homepagedmmv/presse.cfm (独文)
独議会はこのほど、著作権法をIT社会に適合させるために改正することを決めたが、独国内でマルチメディア産業に大きな影響力を持つ独マルチメディア協会(dmmv)は、今回の改正について、著作権法とIT社会とがそもそも適合しないとの認識を持っている、と発表した。
今回の著作権法改正のポイントは、デジタル複製という概念を取り入れたことと、一定限度でデジタル複製を認められることになった点だ。
しかし、このデジタル複製を巡ってdmmvは、著作権法では、IT時代の知的財産権を守りきることができないとの認識を持っていることを明らかにした。特に、違法コピーがなくならず、技術的な問題から違法コピーを完全に取り締まることが困難であるという現状や、デジタル複製によりオリジナルと100%同一のものが複製できるという技術側面を考慮すると、デジタル複製を認めることは、事実上違法コピーを野放しにすることになると見ている。また、若年層では、音楽などの違法コピーを違法と認識しない風潮も広がっており、著作権法の規制を誤れば、知的財産保護が改善するどころか悪化するおそれさえあると指摘。今回の改正は全く不十分であると指摘している。
独では、欧州連合(EU)の指令に適合するための著作権法改正という側面があり、今回の改正に至った。しかし、産業界からはこのように法改正が不十分との声が強い。今後、第二の改正の必要性が認識されていることから、IT関連の知的財産権のより完全な保護を目指して、さらなる改正作業にはこういった産業界の声も反映されることになりそうだ。
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(2003/4/21)
[Reported by Gana Hiyoshi]
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