【ソフトウェア】
アドビ、Acrobat Readerに電子申請機能などを付与できるサーバー製品など■URL アドビシステムズ株式会社は22日、通常のAcrobat Readerに保存や電子申請機能などを付与するサーバー製品「Adobe Document Server for Reader Extensions 日本語版(以下、DSRE)」のほか、フォーム製作ソフト「Adobe Form Designer 5.0 日本語版(以下、FD)」、画像編集作業を自動化する「Adobe Graphics Server 2.0(以下、GS)」など5製品を発表した。 今回の新製品群は、今後本格化していく電子政府・自治体による電子申請や製造業、金融業をターゲットに、電子フォームの制作面や提供面で機能拡張を図るもの。FDやGSによって制作面での機能拡充を図り、DSREがファイル提供時の機能拡張を担う。これらの製品群は、アドビによる直接販売ではなく、SIなどを通して販売を行なうため、価格は個別見積もりとなる。また出荷時期は、DSREとGSが第2四半期、FDが5月12日の予定だ。 ■フォームとXMLを融合させ、スクリプトなどを埋め込める作成ツール FDは、アドビのさまざまな電子フォーム製品に対応した電子フォーム設計ツール。クライアント環境である「Form Client 5.0 日本語版」や配信サーバー「Form Server 5.0 日本語版(以下、FS)」と組み合わせることによって、InternetExplorerやNetscape、iモードなどのクライアントデバイスに対応させてフォームを配信できる点が特徴。 FDでは、フォームを作成する際にスクリプトを埋め込むことにより、PDFファイルに「Aを入力した際にはBというエラー表示を出す」などの禁則処理を行なうことが可能になったほか、既存のPDFファイルを取り込んで改良・変更を加えることもできる。FDで作成したフォームをFSで配信することにより、IEにはXML形式、NetscapeにはCSS2形式など、PDFファイルをデバイス毎の最適な形式に自動的にレンダリングし直して配信することが可能だ。こうして配信されたフォームは、ユーザー側で必要事項が入力された後、XMLデータとしてサーバーが受信・保存する仕組み。
■ワンソースマルチユースを可能にする画像処理サーバー GSは、ファイル形式変換や解像度・サイズ変更等の画像編集作業を自動・高速化するサーバーソフト。従来、デザイナーなど特殊な知識を持つユーザーが行なっていた画像処理を、グラフィック作成・編集ツールの知識を持たないユーザーでも、Web経由で作業することにより、自動的に必要な画像処理を行なえるようになる。 具体的には、デザイナーがPhotoshopやIllustratorなどで作成した画像素材をGS上に置くと、画像処理知識の無い支店社員でもサーバー上で項目を選択するだけで、目的の画像を入手することができる。これにより、ワンソースマルチユースを促進し、業務の効率化を実現するとしている。
■Acrobat Readerに電子申請機能などを付与できるサーバー製品 DSREは、Acrobat Readerに保存や電子申請機能などを付与するサーバー製品。現在、約5本利用されているAcrobat Readerを変更することなく機能を追加できるため、電子政府など不特定多数を対象にしつつ、ユーザー側に有料クライアントソフトを利用させることが難しい場合での需要が見込まれている。
これらの機能は、DSREで権限付与されたフォーム(PDFファイル)でしか機能せず、通常のサーバーから配信されたフォームでは利用できない。また、不特定多数が利用する電子政府などの利用を想定して、1つのフォームに付き利用人数無制限の“フォーム数課金”を行なう「無制限ユーザ用」ライセンスと、社内ユースを想定し、“利用人数課金”を行なう「内部ネットワーク用」ライセンスの2種類が用意されている。 アドビのマーケティング本部ePaperソリューション部 市川孝部長は「今回の新ソリューションは、2002年に当社が買収したAccelioの製品と組み合わせることによって実現できた。既に多くのユーザーに利用されているAcrobat Readerを応用できるDSREは、電子政府に大きく訴求できるのではないだろうか」と語った。 ◎関連記事 (2003/4/22) [Reported by otsu-j@impress.co.jp] |
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