【業界動向】
ヤフー、2002年度の決算を発表。今後はYahoo! BBの高速化を挙げる■URL
ヤフーは、2002年度の第3四半期および通期の決算発表を行なった。2002年度通期の売上高は591億円(前年比87.6%)、営業利益は241億円(同131.3%増)、経常利益は235億円(同128.0%増)、当期純利益は121億円(同106.1%増)となり、前年を大幅に上回った。また、第3四半期の売上は194億円(前年同期比79.1%増、前四半期比18.8%増)、営業利益78億円(同138.8%増、14.4%増)などで、通期、第4四半期ともに伸びを記録した。 決算発表会では、代表取締役社長の井上雅博氏が「通期で全事業部が黒字になった」と報告、その理由として意志決定のスピードを高めたことと、事業部制が機能し始めたことを挙げた。また、インターネット広告では、ナショナルクライアント向けの「Yahoo!ビルボード」を積極的に販売、広告売上が過去最高の136億円を計上したことも発表された。 事業部別では、Yahoo! BB事業は通期で222億円を売り上げ、全体の37.6%を占めた。ADSLモデムの在庫を持たなくなったことなど、ビジネスモデルが変更されて売上が減少した時期もあったものの、粗利に変更はなく、順調に推移しているという。また、Yahoo! BBユーザーが増加する一方で、先端ユーザーの獲得が一巡し、オンライン申込が主のヤフー獲得のユーザーの比率は減少しているという。今後については、新技術を取り入れた高速ADSLサービスの提供を戦略の1つとして挙げた。 オークション事業の売上は111億円で全体の18.8%。粗利が高いビジネスのためYahoo! BB事業よりも貢献度は高いという。新規ユーザーの獲得や取扱数の増加を目指すとしているが、現在、システムの処理能力の上限までオークションの出品数が増加しているため、今期から入れ替える1,000万点以上の出品に対応する新システムの導入後に拡大策を打つという。具体的な戦略では、ヘビーユーザーの優遇や法人出品の充実などを挙げた。 また、ショッピング事業部では、イラク戦争の影響などにより、旅行関連売上の取扱高が減少、メディア事業部はYahoo!アバターを事業の柱に育てるなどの戦略が挙げられた。ES(エンタープライズソリューション)事業部では、調査案件の引き合いがあり売上が増加したことや、自治体からポータルを受注したことなどが報告された。
◎関連記事 (2003/4/25) [Reported by 正田拓也] |
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