【業界動向】
20Mbps超のADSLサービスも近く発表予定ニフティ、2003年度はブロードバンド会員100万人突破が目標
説明会では同社代表取締役社長の古河建純氏が説明を行ない、2002年度の業績から説明した。2002年度の売上高は677億円。2001年度の639億円に比べ38億円の増加となったが、当初の目標だった700億円には及ばなかったという。売上高の内訳は、接続サービスが573億円、接続以外の“上位サービス”(有料コンテンツ、EC、広告、セキュリティなど)が104億円で、上位サービスについては目標額の100億円を達成している。営業利益は売上高に対して約5%の34億円となった。 またニフティでは2002年4月以降、総会員数は公表せず、ブロードバンド会員数のみを発表する方法をとっているが、2002年3月時点でのブロードバンド会員数は60万人。2002年3月の28万人から2倍強に成長したものの、目標としていた75万人には届かなかった。60万人のうちADSL利用は51万人で、光接続が2万人、CATVが7万人という。 古河氏は、「ブロードバンドの本格普及期が始まって、良いものをじっくり選ぶが技術的にはあまり強くない“マジョリティ層”が今後増加していく」と予測。この層を対象に、やさしく簡単な接続サービス、魅力ある上位サービス、安心・安全度の高いセキュリティサービスの3つの柱を“顧客中心モデル”として打ち出していく方針を表明した。「パソコン通信やISP市場ではナンバーワンの立場だったが、ブロードバンドではチャレンジャーの立場で取り組んでいく」(古河氏)としている。なお2002年度のブロードバンド会員数が目標未達成だった件については、「要因はやはりYahoo!BBだが、だからといって同じことをやるわけではない。会員獲得で効率の悪い方法はとらない」(古河氏)方針という。 具体的には、まず接続サービスでは、複雑化しているADSL商品のラインナップを刷新。従来の12Mbpsの接続サービスを“標準的なADSL”として、安価に利用したい層に向けて1Mbpsの“ADSL廉価版”と、ADSL環境が良好なユーザーに20Mbps超の接続を実現する“高速ADSL”の2タイプを新設。廉価・標準・高速の3タイプで、分かりやすい打ち出し方を行なっていく。また光接続については、サポートや家族用ID、セキュリティなども含めて、家族のニーズにあったパッケージ商品を提案し、家族向けの導入を打ち出していく。 コンテンツでは、これまでフォーラムとWebサービスなどサービス体系で分かれていたコミュニティ機能をテーマ別に再編。ユーザーが利用しやすい環境を提供する。またビデオチャット「Eyeball」にブロードキャスト機能(ビデオチャットの状態を配信する機能)を追加し、コンテンツプロバイダーへのシステムレンタルを開始。アイドルのチャットイベント中継や外国語レッスン、法律相談など多彩な利用を可能にする方向だ。 またセキュリティでは、@nifty側でウイルス対策や不正侵入を一括してセンター管理する有料サービス「@niftyBBセキュリティサービス」を発表。ユーザー側が意識せずにウイルス対策ができる環境を、「ニフティが責任をもって」(古河氏)提供するという。なお接続やコンテンツを含め、今回発表したサービスは、いずれもこの1、2カ月中に正式発表する予定だ。 こうした展開によって、ニフティでは2003年度で106万人のブロードバンド会員獲得を目標としている。2002年度からの増加分は46万人で、うち7~8割が既存のアナログ接続会員の乗り換えになるという。回線種別ではADSLが81万人、光接続が15万人、CATVが10万人を見込んでいる。また2003年度の売上げを729億円、うち上位サービス関連で130億円を目標としている。
◎関連記事 (2003/5/8) [Reported by aoki-m@impress.co.jp] |
|