【業界動向】
成層圏IT基地はいよいよIP通信実験へ
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http://www.hicom.co.jp/HMC/
28日、ハイパーメディアコンソーシアムが主催する「第6回高高度飛行体IT基地研究会」が東京・明治薬科大学で開催された。研究会では、ソーラープレーン「Pathfinder Plus」を利用した成層圏通信実験の報告や、成層圏でIT中継基地となる飛行船の開発状況などが紹介された。
Pathfinder Plusを利用した実験は、通信総合研究所や通信・放送機構、NASAなどが共同で2002年7月にハワイ・カウアイ島で行なわれた。この実験では、地上波デジタル放送の中継実験や、市販のFOMA端末を利用したIMT-2000の双方向通信実験を実施。HDTVの中継実験では、消費電力がわずか1ワットという実績を記録した。
ソーラープレーンを利用した実験は、2003年度にも行なわれる予定だ。場所は同じくカウアイ島上空で、高度8万メートルという高度記録を持つソーラープレーン「Helios」を使い、ITUで認められた成層圏通信用のミリ波帯(28~31GHz、47~48GHz)通信の有効性を検証する。
2002年度の実験では、単純な中継機を搭載しただけだったが、今度の実験では、制御用コンピュータも搭載し、アレイアンテナのデジタルビームフォーミングやマルチビームホーンアンテナによる広帯域通信実験を行なう。また、IP通信のデモとして、デジタルカメラで撮影した画像のリアルタイム転送や、IP電話実験なども予定されている。
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(2003/5/28)
[Reported by okada-d@impress.co.jp]
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