【業界動向】
総務省、IP電話発携帯電話着の料金設定権について意見募集結果を公開
■URL
http://www.soumu.go.jp/s-news/2003/030528_4.html
総務省は、IP電話から携帯電話へ通話する場合の料金設定権に関する報告書案について、意見募集の結果を公開した。総務省ではこの結果を踏まえ、6月をメドに報告書を取りまとめる予定としている。
報告書案に寄せられた意見では、NTTドコモグループ、ツーカーグループ、J-フォンだけではなく、携帯電話事業とIP電話事業の両方を営むKDDIもそろって「料金設定権は携帯電話事業者が保有すべき」と主張。IP電話と携帯電話の相互接続についてはお互いに役務提供を行なっていることを踏まえた上で、低コストで実現できるIP電話よりもコスト費用の大きい携帯電話に料金設定権を与えることが合理的としている。
一方、IP電話事業者側となるパワードコムやNTTコミュニケーションズ、フュージョン・コミュニケーションズ、ソフトバンクBBなどは報告書案について基本的に賛成の立場を採っている。また、NTT東西はIP電話事業者側に料金設定権が認められた場合に固定電話が著しく競争力を失うと主張、固定電話についてもIP電話と同時期、同一条件での料金設定を可能にすべきとの意見を示している。
利用料金をそれぞれの事業者が役務区間ごとに設定する、いわゆる「ぶつ切り料金」については、KDDIが「事業者間の自由な合意に基づく“ぶつ切り”を否定すべきでない」とする一方、NTT東西は「携帯電話事業者が自社部分の接続料金のみ高く設定することが可能となり、ユーザーが支払う料金総額が増大せざるを得ない」として反対。パワードコムやフュージョンもNTT東西同様、どちらかの事業者が料金をエンド-エンドで設定すべきとの意見を提出している。
このほか、イー・アクセスは、固定発IP電話着についても料金設定権を整理すべきとの意見を披露している。
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(2003/5/29)
[Reported by 甲斐祐樹]
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