【業界動向】
コンテンツ、インターネット分野で広範な提携関係へ米Microsoftと米AOL Time Warnerが完全に和解■URL 米Microsoftと米AOL Time Warnerは29日、両社の間で争われていた反トラスト法訴訟で和解すると同時に、デジタルコンテンツやブラウザー、インスタントメッセージといった広範な分野で提携関係を結ぶことを発表した。 この合意の中で両社は、まず2002年1月にAOL Time Warnerの一部門Netscape Communicationsが代表してMicrosoftに対して起こした反トラスト法訴訟について和解したと発表。MicrosoftがAOL Time Warnerに対して7億5,000万ドルを支払うことで合意したと表明した。これにより、両社の間に存在する法的抗争は完全になくなったことになる。なお和解内容に関しては極秘事項が多く、今後も公表する予定はないという。 この和解の結果として、両社は以下の分野で提携することを発表した。 1) AOL Time Warnerは、Microsoftが保有するデジタルメディアプラットフォーム「Windows Media 9」シリーズと、その後継となるMicrosoftの著作権管理ソフト(DRM)を採用する自由を得る。これは独占的な契約ではなく、現在AOL Time Warnerが提携関係を結んでいるRealNetworksとの関係に影響を与えることはない。 AOLがInternet Explorer技術のライセンスを受けたことは、今後のNetspapeの存在意義にも関わってくる。ただ、AOL Time Warnerの会長兼CEOであるRichard Parsons氏は、記者会見でこのライセンスが独占的なものでないことを強調。またNetscape部門を切り捨てるのかという質問に対しては、Parsons氏は「この時点でそれはない」とコメントする一方で、「我々はNetscape部門では他の機会を模索している」とも説明している。 Parsons氏はこの合意についての話し合いが、Microsoftの会長兼チーフソフトウェアアーキテクトであるBill Gates氏から「6、8週間前」に電話で持ちかけられたことを明かした。Gates氏は「我々は共通のゴールを持っている。それはどうしたらデジタルメディア市場をより大きなものにして、デジタルメディアを使う人々やコンテンツを実際に創造する人々の利益を尊重することができるか、ということだ」と指摘している。またParsons氏、はMicrosoftとの間の訴訟が、AOL Time Warnerにとっても建設的ではなく、むしろ障害となっていたことを指摘し、今回の交渉と合意に至った理由を示唆した。 ◎関連記事 (2003/5/30) [Reported by 青木大我 (taiga@scientist.com)] |
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