【業界動向/金融】
金融庁、ジャパンネット銀行に業務改善命令■URL
金融庁では5月9日のシステム障害を受け、JNBに対して発生原因と今後の再発防止策などの報告を求めていた。しかし、インターネット専業銀行であるにも関わらず、システムリスクに対する経営陣の認識が不十分で、かつシステム委託先に対して十分な牽制機能が発揮されていないといった問題が認められたという。 また2002年7月に同庁が行なった検査の結果、取引の増加に対してシステムのキャパシティが減少している面が見受けられ、システムの安定稼動に向けた性能向上や、システムサポート体制等について改善を求めていた。JNBではこうした指導に対して対応策を打ち出してはいたが、5月の大規模障害も踏まえて包括的な改善が必要という判断から、業務改善命令の発行に至ったとしている。 改善命令では、再発防止策の確実な実行をはじめ、再発防止策に詳細な計画が必要な際は計画を速やかに策定し提出すること、また防止策の実施状況について、3カ月ごとの報告を求めている。なお銀行システムに対する業務改善命令は、2002年6月にみずほフィナンシャル・グループに発行して以来で、ネット専業銀行に対しては初めて。 これを受けてJNBでは、「障害防止のためのシステム構成の見直し、システムの安定稼動に向けたシステム基盤の強化策」と名づけた再発防止策を順次実施し、10月までに全システムを対応させると表明した。具体的には、まずシステム作業の事前確認システム(リハーサルシステム)を構築。これは通常のテスト環境とは別に構築するもので、リハーサルシステムでの十分な事前検証によって本番機でのトラブルを防ぐほか、システム的な不具合を検知する「チェックプログラム」を拡充し、システム作業後の事後検証も充実させる。また高速バックアップ機能の導入や、サーバーやネットワークの増強なども予定している。 さらにシステムベンダーである富士通との連携を強化し、両社の運用管理者が緊密な連携を行ないながら、社内ルールやマニュアル整備状況のチェック、手順策定などを主体とした「システムの運営・管理体制の強化」を図っていく。また万一障害が発生した場合に、復旧作業を適切かつ速やかに可能にする専門サポート体制の強化や、障害訓練の充実も進めていくとしている。 ◎関連記事 (2003/6/13) [Reported by aoki-m@impress.co.jp] |
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