【業界動向】
~NTT接続料値上げに関する行政訴訟については明言避ける
KDDI、NTT指定設備問題に関わらず今秋にFTTH統合サービスを開始
■URL
http://www.kddi.com/
KDDIは都内で記者会見を行ない、代表取締役社長の小野寺正氏が、秋に開始を予定しているFTTH統合サービスについての質問や、NTTの接続約款に絡んで行政訴訟を検討していることについて答えた。
FTTH統合サービスについて、小野寺氏は「NTTの光ファイバが指定設備から外れると大きな影響を受ける」と述べた上で、「総務大臣の記者会見での発言を聞いても、今の時点で光が指定設備から外れることはない」との見通しを示した。
また、万一、光ファイバが他社への解放が義務付けられた指定設備から外れた場合でも、「今秋開始分は都市部のマンションが対象で、少なくとも今年度は大きな影響を受けない」と述べ、NTTの指定設備問題の動きに関わらずFTTH統合サービスを開始する考えを示した。しかし、指定設備から外れた場合は、「一般住宅向けに大きな影響を受ける」と述べ、長期的な展開に影響が及ぶことも認めた。
小野寺氏は光ファイバの加入者区間について、NTTが整備したもの以外に代替手段がないことも強調。いくつかのビルにはKDDIが自前でファイバを設置しているものの、それ以外についてはNTTのファイバを借用しなければならない現在の状況を述べた。さらに、小野寺氏は、電電公社時代からの経緯を説明、施設設置負担金や当時の電話加入債権にによって今のNTTの設備が整備されたとして「(設備投資は)NTTと電電公社、どっちが多いのか、考えればわかるだろう」とNTTの姿勢に疑問を投げかけた。
そのほか、会見では、NTT接続料値上げについて行政訴訟を検討していることに関する質問が相次いだ。小野寺氏は「やるかやらないか決まっていない」と提訴について明言を避けた上で、1985年のNTTの民営化から値下げ方向の政策が続いたのに対し、ここで値上げに転じる政策転換がされたプロセスが不明瞭であるとし、合意がないままに値上げとした点が問題だと指摘した。
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(2003/6/18)
[Reported by 正田拓也]
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