【ソフトウェア】
ホロン、DivXNetworksとの事業提携を発表。日本語版製品の発売へ■URL
ホロンは6月20日、都内バーで記者発表を開催し、米DivXNetworksとのDivX関連製品の販売、開発における業務提携を発表。DivXNetworks製品の国内販売総代理権を獲得した。なお、発表会では、ホロンとDivXNetworksが日本市場向けに共同で企画・開発した動画エンコードソフト「DivX Pro Video Encoder Pack for Windows」のデモや概要説明も行なわれた。発売日は7月4日、希望小売価格は9,800円。 渋谷の繁華街のバー。PC関連企業の発表会場としては異例のロケーションで開催された発表会には、ホロンの脇坂龍治社長、DivXNetworksのチーフマーケティングオフィサー Kevin Hell氏らが出席。さらに、来賓として元アスキー社長、西和彦氏がスピーチを行なった。 ●DivXファイル作成の総合環境
DivX Pro Video Encoder Packは、DivX Pro 5.0.5、DivX Encoding Application、DivX Player 2.1、200ページを超えるマニュアルをセットにしたパッケージソフト。オリジナルソフトのDivX Encoding Applicationを含め、ソフトウェアはすべてDivXNetworksの開発によるもので、すべてのツールが日本語化されている。 AVIやMPEG1、MPEG2、DVD+VR、DVD-VR、WMVフォーマットの動画をDivXにエンコード可能。また、これまでの海外産ソフトでは対応状況の悪かった民生機器用記録フォーマットDVD+VRやDVD-VRもサポートしており、普及が進みつつあるDVDレコーダーで録画した動画をパソコンに取り込んでDivXファイル化できる。 また、DivX Encoding Applicationでは、最小3クリックでエンコードできる簡単な操作体系が特徴。このほか複数の映像ファイルを一括でエンコードするよう設定できるバッチエンコード処理も可能だ。なおホロンによると、「DivX Encoding Applicationは完全なオリジナルで、Dr.DivXとは全く別のソフト」とのこと。 対応OSはWindows 2000/XP。インストール時にインターネット経由の認証が必要となる。 ホロンでは、DivX Pro Video Encoder Pack for Windowsを含むDivX関連製品について、今年度で10億円、来年度で20億円の売上を目指す。 ●ホロン脇坂社長「日本は欧米より一歩先に行った」
発表会では、ホロン社長の脇坂龍治氏がスピーチを行なった。昨年9月に発売したDVDリッピングソフト「DaVideo」などこれまでの同社の動画関連製品の経緯について触れた後、「パソコンそのものが、マルチメディアファイルをいじれる環境になったなぁと実感した。DaVideo発売後、“(DaVideoでは)家に大量に貯まったVHSのビデオをCD-ROMに収められないのか”という問い合わせが多かった。このようなニーズを考えると、日本は欧米よりも一歩先を行ったなという感がある」とコメント。 さらに、DivXをパートナーとして選んだ理由について、「技術的に素晴らしいこと」、「ブランドが定着し、汎用性が広いこと」、「DivXNetworksが日本市場に対して積極的で、DVD-VRのような日本特有のフォーマットにも対応してくれたこと」の3点を挙げている。 最後に「昨年は(パソコンでビデオ見る、というスタイルが定着した)パソコンビデオ元年だったように思う。今後もPC以外のデバイスへの応用やさまざまな用途に細分化するだろうが、その一翼を担っていきたい」と締めくくった。 ●DivXNetworksのKevin Hell氏「ケータイやSTBにもDivXを入れていきたい」
次いで、DivXNetworks社を代表してチーフマーケティングオフィサーのKevin Hell氏が壇上に上がった。 脇坂社長のコメントと同じく、Hell氏もまたDivXの強みは「技術そのものとブランド」だという。「圧縮率の高さはもちろん、700kbpsで高画質を維持できるのが特徴だ。これまでの累計8500万ダウンロード、さらに1300万人のユニークユーザーがおり、ブランド力もある。今後もCoolなイメージを保ちたい」と語った。 また、DivXのウェブサイトからのダウンロード数のうち、約10%が日本からのアクセスだと語り、「日本市場は非常に重要だ」とも述べた。日本で支持されている原因について、「DivXは世界的に有名だが、特に日本で強い。日本人は画質にこだわるので、DivXが選ばれたのだろう」と語り、DivXの技術力への自信を見せた。 DivXの目指すところは、今のパソコンベースでの利用からさらに拡大し、家電業界をも飲み込むスタンダードなフォーマットになることだ。「パソコンから離れて、別の機器でもビデオが見られるようにしたい。現在、Texas InstrumentsやPhilipsなどとDivX対応製品について話し合っている。今後は携帯電話やSTB(セットトップボックス)、家電製品にもDivXを入れていきたい。特にDVDプレーヤーにはなくてはならない機能になると信じている」と抱負を語った。
囗「DivX Pro Video Encoder Pack for Windows」製品情報 ◎関連記事 (2003/6/23) [Reported by 伊藤大地] |
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