【ブラウザ/業界動向】
MozillaプロジェクトがAOLから独立、新財団「Mozilla Foundation」を設立■URL Mozilla.orgは15日、新しい財団「Mozilla Foundation」を設立し、Mozilla.orgがこれまで行ってきたブラウザと関連テクノロジーの開発は新財団で行なっていくことを明らかにした。 Mozilla.orgの核となる開発者たちはこれまでAOLに雇用されていたが、その多くは解雇され、新財団に改めて雇用される。AOLでは、しばらくの間はこの新しい財団を経済的にも、またその他のリソースを提供するやり方でも支援していくが、実質的にMozillaはAOLの手を完全に離れる形となる。AOLによる支援の具体的な内容としては、この支援財団を設立するための資金200万ドルを2年間にわたって提供すること、財団に必要な機材、ドメイン名、商標、知的財産権を提供することとなっている。 新財団の会長には、表計算ソフト「Lotus1-2-3」の開発者であり、現在Outlookクローンを開発している非営利財団「Open Source Applications Foundation」の会長でもあるMitch Kapor氏が就任し、同時に財団に30万ドルを寄贈している。さらにRedHatとSun Microsystemsが、Mozillaプロジェクトに何らかの貢献をする予定である。 Mozillaの実質的トップといえる「Chief Lizard Wrangler」の肩書きを持つMitchell Baker氏は、「我々が先頭に立って革新し続けていくために独立した組織をつくることは、Mozillaチームの長年の目標だった。我々はこれまで、そしてこれからもサポートしてくれるAOLに感謝しており、今後もAOLと共に引き続き働くことを楽しみにしている」とコメントした。 一時期Mozillaで開発されたブラウザエンジン「Gecko」が、次期AOLの接続ソフト「AOL9.0」に採用されると噂されたが、AOLは結局MicrosoftとInternet Explorerのブラウザ提供契約を延長した。この契約延長以来、Mozillaの寿命は縮まり、ブラウザ戦争が実質的に終わったと考えられていた。MozillaプロジェクトがAOLから独立することは驚くべきことではなく、むしろAOLの束縛を離れることで、AOLの戦略に囚われない、市場のニーズに沿った新たな技術が生まれる可能性がある。 ◎関連記事 (2003/7/16) [Reported by 青木大我 (taiga@scientist.com)] |
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