【業界動向】
ヤフー、2003年第1四半期決算好調。東証に上場申請■URL ヤフー株式会社は17日、2003年度第1四半期の決算説明会を開催した。同期の売上高は155億円(前年同期比83.6%増、前四半期比8.1%増)、営業利益は84億円(前年同期比106.0%増、前四半期比8.3%増)で、堅調な推移となった。月間のページビューは149億PVを達成した。 広告部門では、売上高44億円(前年同期比50.9%、前四半期比9.0%増)となった。代表取締役社長の井上雅博氏は「広告市場を取り巻く環境が厳しい中で、比較的好調」とコメント。ヤフーではナショナルクライアントからの出稿獲得に努め、6四半期連続の増加、過去最高の売上を達成した。「インターネット広告が既存の媒体と同様に、ナショナルクライアントに認められ始めた」(井上氏)という。ナショナルクライアントからの出稿額は14億7,200万円、広告売上に占めるナショナルクライアントの売上比率は33.2%だった。 Yahoo! BBの接続回線数は282万回線(前四半期比19.4%増)となった。ただし、インターネット上からの新規ユーザーの獲得は徐々に減少してきており、ヤフー経由の会員獲得ペースも鈍化したという。なお今期からISP料金の売上を「従来の接続回線当たり月額1,290円として計上し、1,090円を売上原価とするグロス計上から、接続回線当たり月額200円のみを売上に計上するネット計上」に変更した。 オークション事業部の売上高は43億円(前四半期比15.8%増)、営業利益33億円(前四半期比20.1%増)と順調。2003年6月時点で、総出品数409万件、月間取扱高369億円、1件当たりの平均落札額5,978円、落札率42~51%となっている。現在、同時出品数1,000万件以上を取り扱うことができる体制を構築中とのこと。 ショッピング事業部では、取扱高が初めて100億円を突破した。2003年8月を目処に「セレクトストア」と「ストア」の2階層化を実施し、「品揃えを充実させるために、より広く店舗を誘致する戦略」に移行するという。 ヤフーは、7月から従来の「本人確認登録ユーザー」を「Yahoo!プレミアム」会員と改めた。ユーザー1人当たりの収益率が高く、ロイヤリティーも高いユーザーの獲得を目指すのが目的だ。現時点で約300万人の会員が存在しているが、井上社長は「もっとBtoCの参加者を増やしていきたい」とコメントしている。Yahoo!プレミアムの月額費用は280円で、今後も会員限定のサービスを充実し、会員数の拡大を目指すとしている。 特記事項として、PVの急速な伸びを受け、設備投資費や通信費用が増加しているという。井上社長によると「1年でトラフィックが2倍に伸びた。ユーザーのPV、滞在時間の増加だけでなく、ブロードバンドコンテンツの拡大が背景にある」という。このためヤフーでは、現在約3,100台が稼動しているサーバーなどを増強し、「アクセス数が現在の2倍になっても耐えられる環境を構築する」(井上氏)という。 なお、ヤフーは現在日本版NASDAQである「JASDAQ」のみに上場しているが、17日には東京証券取引所に対して上場申請を行なった。このことについて井上社長は、「申請を行なっただけの段階で、これから上場審査になる。現時点では、上場の可否、時期などは一切不明」と語った。
◎関連記事 (2003/7/17) [Reported by okada-d@impress.co.jp] |
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