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【業界動向】

説明会の映像配信などネットIR活動が本格化の兆し

■URL
http://www.mediagalaxy.co.jp/ig/

 動画像や音声などを使って決算説明会などの模様をインターネットで提供するIR(投資家向け広報)活動が、ここにきて増えつつあるようだ。

 静岡銀行(証券コード:8355)は、インフォメーションミーティングを東京で7日に開催。同ミーティングは、証券アナリストや機関投資家などを対象(報道関係は対象外)に行なういわゆるアナリストミーティングで、決算や経営戦略などについて説明がなされる。同行では、この模様を大日本印刷が運営しているIRコミュニケーションサイト「Invester Galaxy」内の「IRプレゼンター」で配信する。

 IRプレゼンターは、決算や会社説明会の映像・音声、パワーポイントなどのデータを配信するサービスで、企業の責任に基づいて作成された情報をそのまま掲載する。閲覧は無料だが、映像を見るには「Real Player」か 「Windows Media Player」が必要。静岡銀行では、早ければミーティングから2~3日後には配信が開始される予定としている。内容は、単に企業側が説明したことだけでなく、質問とその回答のやりとりまでを含むという。

 IRプレゼンターでは、静岡銀行のほかにすでに2社の配信実績がある。東京海上火災(証券コード:8751)が5月30日に開催した会社説明会を7月13日まで配信(その後はテキストデータを掲載)し、富士銀行(証券コード:8317)が5月30日に開催した決算説明会を7月1日まで配信する。

 映像を使ったIRサービスとしては、このほか大和IRの「e-IR」(映像掲載社数3社)、日興ビーンズの「企業IRコーナー」(掲載社数2社)などがある。宝印刷も「Hello! IR World」を展開しているが、自社の中間決算説明会以外では映像を使った内容はないようだ。このほか、東京証券取引所もWeb上では「CLUB CABU」サイトを立ち上げ、施設的には「東証ARROWS」オープンさせるなど、投資家に対する情報提供に力を入れている。

 これまで個人投資家は、基本的にこういった説明会に直接参加することや見ることができなかったため、その機会が増えてきたことは好感がもてる。ただし、現在のインターネットの回線環境を考えると、個人が映像配信で説明会を見ることはまだつらいところだ。

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(2000/6/7)

[Reported by betsui@impress.co.jp]


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