【事業計画】

ダブルクリック、決算発表で今年度中の黒字化への展望を語る

■URL
http://www.doubleclick.ne.jp/

ダブルクリック代表取締役社長
木戸 孝氏

 ダブルクリック株式会社は24日、2002年3月期(2001年4~2002年3月期)の決算発表会を開催した。

 今回発表された決算では、売上高が34億5,000万円で前年同期に比べ3%増、損益面では、営業損失が3億2,900万円、経常損失は3億6,700万円、当期純損失は4億2,800万円となった。このうち下期の売上高は17億円となり、中間決算短信時点での下半期の売上高予想22億5,000万円を大きく下回った。しかし、2003年3月期(2002年4月1日~2003年3月31日)の業績予想では、中間期の売上高が18億5,000万円、経常利益が3,500万円の損失、通期の売上高が40億円、経常利益が1億円と黒字化を予測している。

 来期黒字化予測の理由としてダブルクリックの代表取締役社長の木戸孝氏は、「営業利益率の向上」を挙げている。そのために、昨年からさまざまな対策を行なっているとして、「大きな要因としては、収益性の高いテックソリューション事業や、リサーチ事業などの拡大がある」と説明した。2002年3月期での同社の販売実績は、広告代理店とメディアレップとしての「メディア事業」部門が72.9%、DARTなどの広告配信技術のASP形式での提供や、広告配信用サーバー(AdServer)のライセンス販売などを行なう「テックソリューション事業」が27.1%となっている。同社長によると、「今後、決してメディア事業を手抜きする訳ではないが、『テックソリューション事業』の比率を上げていきたい」とのこと。

 また、インターネット広告市場について、木戸社長は「広告市場全体が伸び悩む中、ネット広告市場は減速しながらも735億円で、24.6%の伸びを示している。今後も成長の余地はまだまだ大きい」と予測している。その中でも、「昨年一番大きな効果があったのは、マクドナルドやインテルなどが実施したモーション広告などの分野だ。現在のネット広告分野は、はっきりと『ブランディング』と『販売促進』効果を狙うものに二極化してきており、今後はこの傾向が顕著になるだろう」と語った。

 最後に、木戸社長は「現在、企業の多くは自己管理しているメールアドレスなどを有効活用していない。今後は、このメールアドレスという資産をデータベース等で管理し、マーケティングや広告といった分野で大きく活用するべきだ。また、昨年のマクドナルドの広告などでは、新聞広告などとの効果の違いが大きく出た。この点を、ネット広告に違和感を持っているトラディショナルな広告主に訴えていきたい」と語った。

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(2002/5/24)

[Reported by otsu-j@impress.co.jp]

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