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「ホームページ安全講座」という、「トラブルを起こさない」ための注意点をまとめたページを作成・運営している、麻弥と申します。この連載では、ホームページの運営やネットでのマナーなどについてお話していきたいと思います。
さて、私は「みーはー倶楽部」というジャニーズのファンページを'96年の夏頃～'98年の冬まで運営していました。始めた理由は、「友達がホームページを作ったから、私もやりたいな」という気楽なもの。最初は友達が見に来る程度でしたが、ネット人口が増えるにつれ、たくさんの人がページに来るようになりました。閉鎖の寸前には、1日に8,000近くのカウンターが動くほどでした。
この運営していた2年半で、様々な体験をしました。もともとパソコン通信「NIFTY SERVE」にアクセスしていたせいもあって、通信というのは実際に書込みをしている人よりもはるかにたくさんの人が見ていることや、そのためにちょっとした問題が大きなトラブルにつながることは身に染みて実感していました。
ある時期から、「みーはー倶楽部」の掲示板を舞台に詐欺事件が起こったり、匿名の嫌がらせをされたり、かなりひどい脅迫すら受けるようになりました。色々なことが限界にきてやめたわけですが、人がたくさん訪れるページを運営したことで、普通の人よりは多くの体験をしたのではないかと思います。もちろん、悪いことばかりだけではなく、暖かいメールもたくさんいただきました。そういうメールをいただくと、色んなことが嫌になっても、「もう少し頑張ろうかなあ」と思えたものです。
自分の苦い経験から一番実感したのは、「情報は凶器である」ということです。インターネットは、ホームページなどを通じて、距離や時間に縛られずに同じものが好きな人同士でコミュニケーションをとることができます。ですから、普通に生活していたのでは得られない情報を簡単に得られる一方で、「誰でもアクセスできる」ために、友達同士の間ではなんでもない話を掲示板に書込んだり、ホームページに載せることによって、たくさんの方に多大な迷惑をかけたり、色々な人を不快にさせてしまうということもあるのです。
私自身も、なるべくトラブルは起こらないように努力してきましたが、対処がよくなかったために迷惑をかけてしまい、落ち込んだこともありました。ですから、今ページを運営している人やこれからページを開設しようとする人へ、この連載で「どのようなことがトラブルの原因となるか」をお伝えしたいと思っています。
最近は、インターネットがらみのマイナスの事件が頻繁に起こります。1年ほど前までは、「インターネットがあればなんでも知ることができる」というようにいい面ばかりが報道されていたのが、今では逆に「インターネットは怖い」というネガティブなイメージがまとわりついているような気がします。しかし、メディアである以上、プラスの面もマイナスの面もあるもの。必要以上に恐れることはないとはないのです。しかし、使い方を間違えてしまうと、自分が被害者になるだけではなく、加害者になる可能性もあるということは、理解しておいた方がいいでしょう。
もし、あなたがホームページを持っていて、どこからか辿れるようになっている（外部からリンクを張っているもしくは検索エンジンに登録している）のであれば、「個人が趣味でやっているから」だけでは済まされないのです。「誰もが見られる」というのは、裏返せば「誰に見られるのかわからない」という怖いことであるという自覚だけはしておいた方がいいと思います。
アクセス数が多ければ、トラブルの源になる可能性は高くなるわけですが、たとえアクセス数が少ないところでも、そこに見にきた数少ない人が有名な掲示板に「ここでこういう話があったよ」と書込みしてしまえば、同じように数多くの人の目に触れることになる可能性はあるのです。
さんざん脅すようなことを書いてしまいましたが、私自身も、インターネットを通じて、気のあう友達もたくさんできましたし、色々な情報を得ることもできました。しかし、ただ便利なだけではなくて、「普通にアクセスしているだけでも」かなりの危険性を伴うものなのです。次回は、「情報の扱い方」についてお話したいと思います。
(99年8月11日)
[Reported by 麻弥]
バックナンバー
第2回：情報の扱い方（8月18日）
第3回：インターネットの危険性（8月25日）
第4回：自由と責任（'99/9/1)
第5回：引用とリンクのしかた（9月1日）
第6回：IPアドレスとリモートホストについて（9月22日）
第7回：掲示板の安全について（9月29日）
第8回：掲示板の運営方法（10月6日）
第9回：気をつけたい著作権（10月13日）