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【連載】

ホームページ安全講座


第3回:インターネットの危険性

 ここまでの連載で書いてきましたが、インターネットは多数の人と同時に情報交換ができるメディアのため、友達同士のお喋りであれば問題とならない程度のことであっても、人に迷惑をかける恐れがあります。また、悪意で人に嫌がらせをする人なども、実生活と同じように、インターネット上にも存在するのです。

 インターネットの場合、「匿名」でいることが容易なメディアのために、直接だと文句も言えないような人が、陰湿な嫌がらせをすることもあります。今回は、初心者はもちろんのこと、ヘビーユーザーでもうっかりしてしまいがちな「危険なこと」をまとめてみました。そんなことはわかっているよ! という方も、ぜひ目を通して再確認してみてください。

・パスワードの扱いに気を付ける
パスワードは、絶対に人に教えないようにしましょう。またパソコンにメモをしておくなど、目につきやすいところに置くのも危険です。英単語や自分の名前など推測されやすいパスワードにしないのも基本です。

・むやみにソフトをダウンロードしない

怪しげなサイトにあるソフトは、ウィルスに感染してたり、破壊的なソフトである危険性があります。ダウンロードする前に、そのサイトが信頼できるか考えましょう。

・より安全に気をつけるためのブラウザー設定
ブラウザーはなるべく最新のバージョンを使用しましょう。Internet Exploerを利用している人は、Active Xを自動でインストールする設定にしない方がよいです。最悪の場合、悪意のあるページにアクセスして、OKボタンを押しただけで、パソコンが破壊される危険があります。

・危険なページに近寄らない

アダルトページ、違法ページ、アングラ系のページではさまざまな危険性があり、トラップ(罠)が仕かけられている場合もあります。そういうページを見るときには、注意をすることです。また、楽して儲かる話はありませんので、そういうことを書いてあるページも要注意です。

・掲示板になんでも書くのは危険
掲示板には、書込みを行なっている人の10倍~1000倍は「読んでいるだけ」の人がいます。中には悪意がある人も読んでいる可能性があるので、絶対に住所や電話番号などを書込みしないことです。

・知らない人からのメールに注意
全然知らない人から送られてきたメールの添付ファイルは、絶対に開かないようにしましょう。ウィルスや、破壊ソフトの可能性もあります。

・ホームページに書いてあることを鵜呑みにしない

ホームページに書いてあることがすべて正しいことではありません。信頼できることがどうかは一次情報を調べ、自分で考える必要があります。むやみに怪しげな情報を流してデマにしないように気を付けてください。

・ウィルスチェックソフトを入れよう
ウィルスはその人の善悪ではなく、不注意で感染するので、たとえ信頼のおける人から貰ったソフトでもウィルスに感染している可能性があります。そのため、ウィルスチェックソフトを購入してインストールしておくべきです。

・デマウィルスに惑わされるな
「××というタイトルのメールを読むとウィルスに感染する」というようなデマウィルスを信じ込んで、むやみに人にメールで伝えてゆくことを奨励すると、チェーンメールとなり、人に大迷惑をかけてしまいます。デマウィルスに関する情報は、ネットワーク アソシエイツのページを参考にしてください。

・クレジットカードは気をつけて使おう
ショップによっては、クレジットカード番号を入れるだけで、買い物が成立してしまいます。他人に悪用されないためにも、クレジットカード番号を人に教えてはいけません。また、買い物をする場合は、そのサイトの安全性がどの程度あるか考えてから買い物をしてください。また、クレジットカードを使ったサイトの記録(ショップから来る確認メールなど)はちゃんととっておきましょう。特にアダルトサイトの無料お試し入会がちゃんと解約されてないなどのトラブルが起こっていますので注意。

 Webでトラブルにあった場合、「WEB110番」にかなり役に立つ情報があります。また場合によっては掲示板で相談にのってもらえますので、一度のぞいてみてください。

 読者のみなさんの中には、「なんだ当たり前じゃないか」と思われた人もいるかもしれません。でも、その「当たり前」のことがまったくわかってない初心者は少なからず存在します。上記のことを1ページにまとめた、「インターネットで危険を避けるための最低限の知識」というページを作成してますのでご覧ください。リンクもフリーです。

 ホームページを持つ上での危険性で一番大きいのは、自分の個人情報を気が付かないうちに流している可能性があることです。日記の記述を読むと、住んでいるところや、勤めている会社、通っている学校がわかってしまう場合もあります。それらの危険性も承知の上で、自分の書きたいことを優先するならば別にいいのですが、自覚もなしに書いているのはかなり危険です。掲示板で、親しい友達との会話でついうっかり自分のプライベートの話をすることがありますが、掲示板は普段書込みしている人の10倍以上、読んでいるだけの人がいるのです。誰に見られても大丈夫なように注意した方がいいでしょう。
 特に若い人や初心者が集まるページでは、こういうことを踏まえた注意書きをしておいた方がトラブルに発展する可能性は低くなります。

 ホームページに自己紹介として、自分の顔写真を載せている場合がありますが、それも犯罪を誘発する危険性があることを覚えておいてください。特に女性や子供の写真はやめておいた方がよいです。それがきっかけで誘拐や性犯罪の被害者になってしまったら……。「安全」を守るために大切なのは、「知識を持つこと」と「自分でちゃんと考えること」です。知識もなく、何も考えずにソフトをダウンロードしたり、掲示板に自分の電話番号を書くのは非常に愚かな行為です。自分の身の安全や自分のパソコンの安全を守るのは、自分だけです。他人は守ってくれません。黙っていれば、誰かが何かを教えてくれるわけでもありません。自分で知識を積極的に身につける必要があります。
 安全のための手間やお金を惜しんで、後悔するのは自分なのです。

(99年8月25日)

[Reported by 麻弥]


バックナンバー

第1回:インターネットは夢のメディアか?(8月11日)

第2回:情報の扱い方(8月18日)

第4回:自由と責任('99/9/1)

第5回:引用とリンクのしかた(9月1日)

第6回:IPアドレスとリモートホストについて(9月22日)

第7回:掲示板の安全について(9月29日)

第8回:掲示板の運営方法(10月6日)

第9回:気をつけたい著作権(10月13日)


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