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ウォッチャー金丸のNEWS Watch

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1998年2月27日


HEADLINE 3 articles

NTTデータと岡山県がイントラネット上でRSVP実験を開始
4月から行政情報所在案内システム開始
光海底ケーブル:PC-1が具体化
余談3題:電話音声高認識ソフト/プロバイダー向けインターネットFAXサービス/インターネット広告遮断ソフト


 

[行政][RSVP]レベルA'
NTTデータ岡山県がイントラネット上でRSVP実験開始

 日経産業新聞2面と日刊工業新聞8面には、NTTデータ通信が3月2日から末日まで、「RSVP(Resource reSerVation Protocol:通信帯域予約)」技術を使ったイントラネットの運用実験を岡山県と共同で始めるという記事が掲載されている。イントラネット上でのRSVP運用実験は日本では初めてとしており、この技術の運用で回線費用負担を軽減しながら基幹業務の通信性能を維持することが出来るという。

 これまで個別に使用料を払っていた行政データ通信回線(専用線)などを、RSVP技術を使うことによって一本化し費用負担を軽減しようということだろう。これも岡山県に高速地域インターネット網を築く「岡山情報ハイウェイ構想」の中の一つと思われる。
 NTTデータのリリースによると、RSVP技術を緊急車両専用の道路に例えて、情報通信でも重要度に応じて情報の送り方が変えられることが必要だとしている。ただしこれはイントラネットのことで、インターネットにはそぐわないのではないだろうか。




○行政情報所在案内システム開始
 日経新聞2面と日刊工業新聞2面には、日本政府が26日、各省庁の官房長らで構成する「行政情報システム連絡会議」を開き、各省庁がホームページを通じて提供している情報を一括して取り出せる新たな検索手段「行政情報所在案内システム」(クリアリングシステム)の運用開始を4月から行うことを決定したという記事が掲載された。新システムは、利用者が閲覧したい情報のキーワードを入力すると、ホームページ内の関連するすべての項目が画面上に表れ、取り出したい情報に直ちにアクセスできるようになるという。厚生省が3月から試験運用を開始し、来年度中に運輸省や郵政省など10省庁のホームページで利用が可能となるらしい。

 行政情報の有効な利用を促進するためには、必要なサービスだろう。ただし、検索される情報もアクセスする側にとって意味のあるものを提供していかなければ、使えるシステムとして評価してもらえないと思われる。


○光海底ケーブル「PC-1」が具体化
 日経新聞13面と日刊工業新聞9面には、丸紅と米投資会社グローバル・クロッシング、KDDのケーブル敷設子会社のKDD海底ケーブルシステムズ(KDD-SCS)、米ケーブル敷設会社のタイコ・インターナショナルの日米4社は26日、日米を結ぶ2万kmの光海底ケーブル「パシフィック・クロッシング1(PC-1)」を共同敷設すると発表したという記事が掲載された。4社は4月にも合弁会社を設立し、敷設工事に着手するとしている。
  PC-1は日米それぞれ2カ所の陸揚げ拠点を設け、2本のケーブルで構成し、回線容量は80Gbps(又は100Gbps日刊工業新聞掲載)となり、2000年までに運用を始め、通信事業者や一般企業に開放するようだ。

 2月5日号のNEWS Watchの段階では構想としていたPC-1海底ケーブル計画だが、ここに来て早くも具体化してきたようだ。その背景には、世界の主要通信業者14社が推進し、1999年末から80Gbpsデータ伝送速度での運用を目指す「China-US太平洋海底光ケーブルネットワーク計画」が、建設者と利用者間に約4倍の料金価格差があるため、計画自体が難航していることが挙げられる。特に対米への高速回線への需要は高まるばかりなので、素早くケーブルを敷設しサービスインした方が、ユーザーを取りこめると踏んだのだろう。



余談その1:電話音声高認識ソフト
 日経新聞11面日経産業新聞5面には、NTTが26日、電話や携帯電話から音声でPCを操作できる音声入力ソフトを開発したと発表したという記事が掲載された。あらかじめ文字で入力した単語と電話を通した音声波形のパターンをPCに記憶させ、入力音声波形をもとに該当する単語を判断するシステム。通信回線を伝わる間に入る雑音を取り除く工夫を施すと同時に、使い込むうちに利用者の音声の特徴を学習する機能を付けたという。定型の文句なら、90%以上の認識率になったようだ。

 電話でのPCリモート・アクセスの他にも、音声によるネット・サーフィンなど、手ぶらでPCへの動作指示を、周りの雑音を気にせずに行えるシステムへの応用も期待される。

余談その2:プロバイダー向けインターネットFAXサービス
 日刊工業新聞2面と日経産業新聞7面には、KDDが3月10日から、プロバイダー向けにインターネットFAXサービスを開始するという記事が掲載された。1年間の試験サービスで需要動向を把握した後、99年春にも本格サービスに移行する考えで、通信料はA4一枚あたり国内が22円、米国へは38円としている。海外あてのFAXはKDDのファクシミリ専用線か国際電話網、KDDアメリカの専用線を使い、国内あてではDDIのマルチメディア・アクセスライン(MAL)を利用して配信する仕組みとしている。

 国内外ともプロバイダーや通信業者など、数々のインターネットFAXサービスを始めており(1月13日号及び、1月19日号のNEWS Watchを参照)、KDDとしても従来の電話回線でのFAXサービス以外でも商売として対応せざるを得なくなったというところだろうか。

余談その3:インターネット広告遮断ソフト
 昨日の日経産業新聞20面には、米ソフト会社のソリッド・オーク・ソフトウェアが、インターネット広告を遮断するソフトを開発したという記事が掲載された。わいせつ画面などを遮断する同社のフィルタリングソフト「サイバ ーシッター」の技術を転用しており、この機能を使うとバナー広告は四角い枠と広告の短い説明文だけが画面に出るしくみ。画面が素早くPCに表示される利点があるという。

 既に2月中旬には、米国版と日本語版の「サイバーシッター97」にプラグインの形で広告遮断機能を加えており、既存のユーザーはインターネット経由で無料でアップグレードもできるようだ。広告業界にとっては何とも疎ましい話だろう。
 それにしてもバナー広告も(有害)アダルト映像と同様に、フィルタリングされようとは...(^_^;)


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