http://www.so-net.or.jp/smash_service/
昨年から本格的に始動したエレクトロニックコマースだが、そのほとんどが実験的なもので、実際に使えるところは少なかった。しかし今年になってようやく私たちにも利用できるものが増えてきた。一口にエレクトロニックコマースや電子決済と言っても、クレジットカードを使った支払いから、カラオケを一曲歌ったときにわずかな金額を支払うといったような使い方まで幅広い。このシリーズでは、WWWサイトのセキュリティの信頼性や「本当にお金を払ってまで使う価値があるの?」といった不安要素を検証し、さまざまな支払い方法(決済技術)を体験レポートする。
さて、7回目はクレジットカードをあらかじめ登録しておくことによって不正利用を防止する、カード決済サービス「Smash(スマッシュ)」を紹介する。
インターネットプロバイダーSo-netの会員専用決済システム「Smash」が、'97年9月よりSo-net会員以外でも利用できるようになった。Smashはクレジットカードで決済をするためのシステムで、ポストペットパークなどと同様にSo-netが提供している独自の付加サービスのひとつだ。
利用するには、まずWWW上から名前や住所、クレジットカードなどを入力して会員申込みをする。その時発行されるIDとパスワードに加えて、「Shopping
Access Key(以下A-Key)」と呼ばれるパスワードの3つをWWW上で入力すると、Smashで買い物ができるシステムだ。ただし、A-Keyの入力をするのは初回のみだ。なお、A-Keyは後日郵送されてくるため、申込みをしてすぐには買い物ができない。
Smashの特徴のひとつに「御愛想上手」というショッピングモールがある。ここに出店している加盟店は、電子メールによる敏速な顧客対応や商品の豊富さなど、Smash独自の評価基準をクリアしている。これによりユーザーには「御愛想上手なら安心してショッピングできる」という、百貨店のようなブランドイメージを作り出そうとしているのだ。なお、'98年1月現在、加盟店数は98店舗。
まったく初めての人 |
コンテンツ情報サービス会員 |
接続会員 |
1.So-netユーザー登録 |
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(So-netIDの取得) |
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2.Smash利用申し込み | 2.Smash利用申し込み |
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3.郵送により「A-Key」到着 | 2.郵送により「A-Key」到着 |
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So-netでは、会員向けに、占いや電子メール新聞、ポストペックパークなどのコンテンツ情報サービスを行なっている。Smashもこれらのひとつのため、So-netのインターネット接続サービス会員は登録の必要なくそのまま利用できる。入会時に送られてくる書類に記載されているA-Keyを用意して、次の章「御愛想上手でお買い物」へ進んでほしい。ただし、So-netの接続会員でも、クレジットカードを登録していない人は、別途手続きが必要だ。
また、So-netでは「コンテンツ情報会員制度」を設け、コンテンツサービスのみを受けられるようになっている。すでにポスペットパークなどを利用していて、So-netユーザーIDを持っている方は【Step2】を見てほしい。
これらのどれにも入っていない人は、情報サービス会員に加入する必要がある。まずは、ユーザー登録をし、So-netIDとパスワードを取得しよう。【Step1】から見てほしい。
まずはSo-netIDとパスワードを取得しよう。取得するには、「smashサービスメニュー」(http://www.so-net.or.jp/smash_service/
)から「So-net接続会員以外の方」を選び、ユーザー登録を行なう。サービス規定に同意をしたら、登録のために名前や連絡先、クレジットカード番号を入力する。利用できるクレジットカードはダイナース、JCB、AMEX、VISA、Masterの5つだ。
クレジット情報と同時に、任意のユーザー名とパスワードを入力する。ユーザー名は3~8文字、パスワードは6~8文字の英数字を混ぜたものと決められている。最終的には入力したユーザー名の後ろに文字が付加されたものが、ユーザーIDとなる。なお、クレジットカード情報を入力する画面は、暗号化技術「SSL」が使われており、情報の漏洩を防いでいる。
■【Step2】Smash利用申し込み(5分)
次に、Smashの利用申し込みだ。申込み自体はとても簡単で、まず先ほど取得したSo-netユーザーIDとパスワードをWWW上に入力する。次にSmashを「利用する」か「利用しない」の選択欄で「利用する」と選ぶと、利用者の確認ために、So-netユーザーID取得時に登録したクレジットカードの有効期限を要求される。これを入力すると申込みは完了だ。
Smashの登録に際しては、500円の初期費用が必要で、これは簡易書留代(480円)に充てるとのこと。申込みをした住所が間違っていた場合は、当然「ご登録内容通知」は届かない。この場合、再度申込みが必要で、また改めて入会金500円を支払わなければならないので注意が必要だ。なお、'98年3月までは、Smashキャンペーン期間として入会金は無料。
■【Step3】Shopping Access Keyが到着(2日後)
2日後、「ご登録内容通知書」が届いた。中には利用者名とユーザーID、A-Keyなどの登録内容が記載されている用紙1枚とSmashのパンフレットだ。このA-Keyは、Smashのショッピングモール御愛想上手で初めて買い物をするときに必要となるので、無くさないようにしよう。
Smashシステムのショッピングモール、「御愛想上手」(
http://www.so-net.or.jp/OAISO/ )より商品を選ぼう。WWWサイトから店を選ぶ以外に、PDFファイルで「お店一覧」が提供されているので、直接お目当ての店舗に行くこともできる。
今回はLaser Pointerを販売しているインフォジョブ( http://www.infojob.co.jp/ )で買い物をした。欲しい商品を見つけたら、画面の指示に従って商品の注文フォームから送付先や連絡先などを入力する。その後で「Smash」決済を選び、ユーザーIDを入力して送信すれば注文終了だ。
■購入意志の確認、初回だけ「A-Key」を入力(10分)
申込みをして、10分程度後に商品購入の確認メールが届く。ここには在庫数の確認と同時に、受付番号と注文内容を確認するためのURLが記載されている。
注文内容に間違いがなければ、指定されたWWWサイトより購入意志を確認する。ここで送信日から2週間以上確認しなかった場合、申込みは無効となる。そのため、2~3日しても確認メールが届かなかった場合には、ショップ側に問い合わせたほうがいいだろう。
購入意思を確認するには、指定されたWWWサイトに行き、Smash利用規定の同意書を読んだ後、ユーザーIDとパスワード、A-Keyの3つを入力する。なお、この入力は初回だけで、次に買い物するときには必要ない。ほかに、確認メールに書かれていた受付番号も入力する。
入力が正しければ、購入した商品の内容や金額、送付先などが表示されるので、内容に間違いがなければ「購入する」を押す。これでようやく購入が確定する。ここで、購入した加盟店名、電話連絡先や受付番号が表示されるので、万一商品が届かなかった時のためにプリントアウトするかメモをしておこう。
■対応の良い加盟店(17時間)
翌日、商品を購入したインフォジョブから、商品を発送した旨のメールが届いた。そしてその翌日には宅急便で手元に商品が到着。申し込んでから手元に来るまでのスピーディさにびっくりした。今回、運悪く届いた商品に原因不明のトラブルがあったため、現象をメールで送ったところ、翌日の朝には代わりの商品を発送してくれた。対応の素早さに再び驚いた。
お店の対応があまりに良いので、何か問題を起こすとSo-netよりペナルティがあるのではないかと思い、So-netへ問い合わせてみた。担当者によると、「特に何もないが、独自基準で厳選した店舗だけを加盟店とする配慮はしている」とのことだった。
■初心者でもわかりやすいSmash、しかし深夜に買えない不便さも
Smashでは最初の登録時に、クレジットカードの確認をした上で、さらに利用者本人の住所を書留郵便で確認している。これはクレジットカード不正利用を防止するためだが、郵送されてくる書類を待たなければならないため、申し込んでからすぐに買い物ができない点は少々不便だ。
また、気になった点は、毎日午前2時~午前5時まではメンテナンスのため利用できないところだ。深夜だからこそオンラインショッピングを利用する人もいるはず。24時間利用できないのはやはり不便だ。改善が望まれる。さらに、購入内容の確認をするため、利用者の購買状況をSo-netに把握されてしまうことは、覚悟しておこう。
なお、現在のところ、購入の確認を一度してしまうと、再度内容を見ることができない。いつ何を買ったという履歴がWWWなどで確認できると便利だと思った。
一方で良いところは、不正利用や操作ミスなどからの誤った申込みを未然に防ぐために、いくつかの安全対策がされているところだ。また、対応が速いのも嬉しい。電話での問合せでも、快く対応してもらえた。初めてインターネットで買い物をする人にも、お勧めの決済方式だ。
ほかにも、プロモーションとしてPDFファイルのチラシを発行したり、毎月24日にイベントを行なうなど、毎月何らかの企画を組んで、技術的な面だけでなくモール全体を盛り上げようとしている。定期的に覗いてみたくなるモールだ。
●入会にあたって
入会条件:電子メールを利用できる人
クレジットカードを持っている人
日本国内に在住している人
●利用にあたって
プラットフォーム:SSL対応ブラウザー
費用:初期費用:500円(3月31日までキャンペーン中につき無料)
年会費:無料
利用技術:SSL
本人認証:クレジットカード、簡易書留
◎評価基準(三段階評価)
設定の簡便 :★★1/2
○特に設定はないが、IDやKeyがあるので混乱しないように注意したい。
安全性の配慮:★★★
○クレジットカード番号をオンライン登録するが、SSLが使われているので問題ないだろう。
利用金額 :★★★
○特に記載はないが、クレジットカードの限度額まで利用できる。
使い勝手 :★★☆
○申し込んでからすぐに利用できない。
○購入手順などは最低限に抑えられているが、履歴管理ができないのが残念だ。
('98/02/25)
[Reported by Watcher小林(chibiayu@sag.bekkoame.or.jp) ]
第2回「BitCash」
/www/shopping/bitcash.htm
第3回「アコシス」
/www/shopping/acosis.htm
第4回「First Virtual Internet Payment System(ファーストバーチャル)」
/www/shopping/fv.htm
第5回「QQQ Members Commerce System(サンキューシステム)」
/www/shopping/qqq.htm
第6回「CyberCash(サイバーキャッシュ)」
/www/shopping/cyberc.htm