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アマゾン ジャパン オンラインマーケティング・マネージャー 山口公男氏
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8月28日、29日の2日間、東京・渋谷でWebサービスのコンファレンス「Web Services Conference 2003」が開催されている。2日目の29日、オンライン書店大手、アマゾン ジャパン オンラインマーケティング・マネージャーの山口公男氏が「Amazon Webサービスは、何に使えるのか」と題した講演を行なった。
まず山口氏はAmazon.comおよびAmazon.co.jpの成り立ちから話を切り出し、7月には200万人のユーザーを獲得したこと、昨年度第4四半期で黒字化し、世界各国のAmazonの中でももっとも早い成長であることを説明。講演の本題であるWebサービスについては、「9億ドル、日本円で1,000億円以上もの投資を行ない、開発をしている」と語った。
Amazonはオンライン書店の先駆けとして、「ワンクリック」「ショッピングカート」「マイストア」などのWebサービスをオンラインショッピングに盛り込み、そのユーザビリティの高さには定評がある。今年7月、アフィリエイトのビジネスモデルをベースにし、誰でも自分のサイトの中にAmazonの商品情報や検索機能をコンテンツとして追加できる「Amazon Webサービス」が開始された。このサービスでは、従来提供されてきたバナーや検索窓を使ったアソシエイトよりも一歩進み、XMLとSOAPを利用してユーザーのWebサイト上で、カタログ情報や検索機能が提供される。サイト制作者がレイアウトや活用方法などさまざまな部分をコントロール可能なため、ただのアフィリエイトモデルから、コンテンツの一部として利用できるような仕組みになっている。一方で、AmazonもWebサービスの提供と引き替えに、外部サイトからも販売機会が得られるわけだ。いわば、「Amazon 外部サイト支店」が増えていくようなイメージになる。
山口氏はこのサービスに関し、「Webサイトオーナーは資本投資を行なうことなくAmazonのユニークな機能を無償で利用できる。また、Amazonも多くの外部サイトでのビジネス展開や、外部からの技術やアイデアで有益なアプリケーションの開発ができるようになる。顧客とWin-Winの関係を築ける」とその利点について語った。
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“顧客とWin-Winの関係を築ける”のが特徴
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外部サイトは訪問客とAmazonとの橋渡しになる
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また、技術的な面でも、「外部のWeb側のスタイルシートを反映する形でXMLを出力できる」「単に紹介料を支払うだけでなく、簡単にリンクする方法や検索ボックスも提供している。また、ベストセラーが自動的に表示されるAmazonライブリンクなどダイナミックな情報配信も可能」「レポートセンターを利用すれば、自分のサイトからAmazonへ訪問した人がどのような商品を買っているのかがわかる」「著者、版元、ISBNなどさまざまなサーチの軸を引っ張り出すことで、Webサイトオーナーのニーズに合わせた出力結果の表示ができる」などと特徴的な機能について解説した。
次いで、「Amazon Webサービス」を利用したビジネスの実例を挙げる、いわゆるケーススタディに移った。この中で山口氏は、「Amazon Webサービス」に関するテンプレート集が米国Cusimano.comで販売されていることや、Mitsukatta.comなど、人的コストをさほどかけていないサイトでも十分管理可能なメンテナンス効率の良さ、ファミ通.comに見られるAmazonの販売情報を元にしたリアルタイムランキングなどを紹介。また、アスキーのデジタル用語辞典の事例では、調べた語句からそれに関連する書籍などをピックアップする、いわば独自コンテンツとの有機的な連動ができる面もアピールされた。
最後に山口氏は、「SDKとTokenはWebからいつでもダウンロードできる。日本でこれだけオープンかつフリーなWebサービスを運営しているところは少ない。ぜひ試してみてほしい」と力強く語り、講演を締めくくった。
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さまざまな値を用いて、検索結果の表示が可能
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サイト運用の効率化など、ユーザー側のメリットも大きいという
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関連情報
■URL
Web Services Conference 2003
http://www.idg.co.jp/expo/wsc/index.html
Amazon Webサービス
http://www.amazon.co.jp/webservices/
・ 【Web Services Conference 2003】 WebサービスのデファクトスタンダードはXML?(2003/08/28)
( 伊藤大地 )
2003/08/29 17:56
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