一般公開とは別に28日、NTTコミュニケーション科学基礎研究所人間情報研究部が開発中の「テレヘッド」が報道関係者向けに公開された。「人間がどのようにして、視覚や聴覚を総合して、周囲の環境を把握しているのか?」ということを究明するために制作された。現段階では聴覚にしぼった機能を備えており、人間の頭部そっくりの形状をしたダミーヘッドの耳の中にマイクを内蔵。ここで拾った遠隔地の音場を、ヘッドフォンで3Dで再現する。
テレヘッドには3つのモーターを搭載する一方、ヘッドフォンには頭の向きを検知するセンサを搭載。頭の動きに追従してテレヘッドもぐりぐり動くようになっている。これまで静止状態のダミーヘッドはあったが、どうしてもリアリティが出なかったのだという。ただし、テレヘッドではそれを解消した半面、どうしてもモーターのノイズ音を拾ってしまうのが欠点。これを解決するため、次のモデルではノイズ音のない超音波モーターを採用する方針で開発を進めている。
現在、テレヘッドとヘッドフォン間はオーディオケーブルで接続しているが、通信ネットワーク経由で使えるようにすれば、身体の不自由な人がコンサートホールの臨場感を味わえるようにするシステムなどに応用できるとしている。
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テレヘッドには髪の毛も生えている。本人の頭部にそっくりなほど、再現性も増すという
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写真手前右側にある白い箱と、ヘッドフォンの頭頂部にあるセンサで頭の向きを検知している
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関連情報
■URL
テレヘッド
http://www.brl.ntt.co.jp/cs/avi/telehead/index-j.html
( 永沢 茂 )
2003/10/29 19:16
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