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コンテンツの流通促進に向け著作権保護制度の早期確立を


パネルディスカッションのコーディネーターを務めたのは、日本経済団体連合会専務理事の立花宏氏(いちばん左)
 東京都内で28日、日本音楽著作権協会(JASRAC)主催による「JASRACシンポジウム2003」が開催された。「知的財産立国の実現に向けて」と題した今回のシンポジウムでは、米国などに大きく遅れをとっている日本のコンテンツ産業について、流通促進や市場拡大への課題を話し合うパネルディスカッションなどが行なわれた。

 ディスカッションには、日本レコード協会会長でエイベックス代表取締役会長兼社長の依田巽氏、JASRAC理事長の吉田茂氏、日本映像ソフト協会会長で角川ホールディングス代表取締役社長兼CEOの角川歴彦氏、内閣官房知的財産戦略推進事務局長の荒井寿光氏がパネリストとして参加。著作権処理を円滑化するためのデータベースの整備など、流通促進のための取り組みがすでに進められていることなどが紹介された一方で、不正利用を防止するコンテンツ保護の必要性が指摘された。


依田巽氏(左)と吉田茂氏(右)
 依田氏は、「あえて“違法”と言わせていただくが、CD-Rへの焼き付けは2億数千万枚に達する。1枚1,000円とすると、2,000億円以上のロスが発生している。(音楽のメディアを)セキュアなメディアに移行していく必要がある」と述べた。一方で、「デジタル化やブロードバンド化の流れは止まらない」とし、「その中で、コンテンツを保護しながら、どうやって流通を促進させるかが課題だ」とした。

 吉田氏によれば、JASRACが最大の課題と考えているのは「コンテンツ流通の安全性の確保」だという。「ネット上に話を絞ると、デジタル技術によって誰もが簡単にコピーできるため、世界中に瞬時に配布できる。このようなことが可能になったことは前向きにとらえるべきだが、現段階では著作権者に無許可で配布されているのが問題」とした上で、「安価で使いやすい認証技術の確立、課金システムの確立、コンテンツ保護技術の確立」が必要だと指摘した。


角川歴彦氏(右)と荒井寿光氏(左)
 角川氏は、「映画産業の人はブロードバンドでの流通に期待しているが、正直言ってリスクが高く、怖がっている」と、ブロードバンドが普及しているにもかかわらず、流通する映像コンテンツがアダルトなどに止まっている原因を説明。「ひとつひとつにIDを付けるコンテンツの認証制度、不正なコンテンツが流通しないようにするネットワークの認証制度、不正なコンテンツを利用できないようにする端末の認証制度、最終的に消費者の認証制度」という4つの認証制度が必要だと指摘した。

 角川氏はさらに、「今日の新聞に画期的な事件が載っていた」として、27日にファイル交換ソフト「Winny」のユーザー2人が著作権侵害で逮捕された事件に言及した。そのうちの1人が送信可能な状態にしていた映画作品の被害額が、新聞で2億3,000万円と報じられていた点について、中堅ヒット映画の配給収入に相当すると説明。これを「1人の不正行為で侵害できる」ということで、映画業界が総力をあげて観客数を増やそうとしている中でこのような侵害行為が横行していることに対して、「バケツの底が空いている状態で(水を)増やそうとしているようで悲しい」と漏らした。

 荒井氏もこの事件に関連して、著作権侵害行為に対する刑罰が軽いことに疑問を投げかけた。窃盗が10年以下の懲役、特許侵害が5年以下なのに対して、著作権侵害は3年以下だということで、「著作権は有体物の3割ぐらいの価値しかないのが、今の刑法体系」と説明。「窃盗が10年なら、著作権侵害は11年というように、有体物以上に大事だというように変えていかないといけない」と強調した。


関連情報

URL
  JASRAC
  http://www.jasrac.or.jp/


( 永沢 茂 )
2003/11/28 20:58

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