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コンテンツ不正流通の防止と、権利者IDによる公正利用が今後の課題

デジタル時代の著作権協議会シンポジウム

 デジタル時代の著作権協議会(CCD)は14日、「デジタルコンテンツの流通促進に向けた著作権等管理の現場における問題点と課題の抽出」をテーマとしたシンポジウムを都内で開催した。シンポジウムでは、著作権のセキュリティと法制度における課題と、権利関連団体における著作権情報管理のあり方に関する、CCDの活動発表が行なわれた。

 CCDは、デジタルネットワーク技術の進展を踏まえて、著作権および著作隣接権の保護と公正な利用の促進を目的として、1999年3月に設立された協議会で、日本音楽著作権協会(JASRAC)やコンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)など、34団体が加盟している。今回のシンポジウムは、CCDに設置されている権利問題研究会と著作権ビジネス研究会の2つの研究会の活動発表を中心として行なわれた。


P2Pソフトは「現状ではほとんどが著作権侵害となる利用法」

権利問題研究会の主査を務めるACCSの久保田裕氏
 権利問題研究会の主査を務めるACCSの久保田裕氏は、「セキュリティと法制度における課題」と題した活動発表を行なった。同研究会の2003年度の活動としては、DVDのコピープロテクト外しの実態や、ファイル交換ソフトの仕組みと現状の調査などが実績として挙げられた。

 DVDのコピープロテクト外しについては、PC上でソフトウェア的にプロテクトを解除する方法以外にも、実際に再生されている画面を再度デジタル化するといったアナログ的な手法であっても、機器の高性能化などによりオリジナルとほぼ同様なクオリティのコピーが作成可能になってきているという認識を示した。その上で、複製を簡単に実現するソフトウェアなどを開発することの是非については、私的利用目的での複製という観点も考慮しつつ検討する必要があるとした。また、研究会の参加者からは、こうした複製方法を紹介する雑誌や書籍などのメディアの責任についても、表現の自由との関係を考慮しつつも問題視する声も挙がっていることを紹介した。

 ファイル交換ソフトの現状については、アンケート調査などの結果から現状ではほとんどが著作権を侵害する利用実態となっているという認識を示した。法的にはアップロードする側は公衆送信可能化権の侵害に当たるとし、特にWinnyのような共有型のソフトでは、利用者がすべてこうした違法行為に荷担することになるとして、利用者に警告していくことが重要だとした。また、こうしたソフトの作成者の法的責任についても今後は検討されていくことになるだろうとして、著作権侵害にあたるコンテンツの流通を目的とするようなソフトの開発を制限するような法制化も検討すべきではないかといった意見も挙げられたことを紹介した。

 このほかには、ブロードバンド化に伴う現行法の課題について、研究会で検討を行なった例として、舞台中継において複数のカメラを視聴者が切り替えることができる「バーチャルシアター」のような新しい形態の映像配信における著作権法の問題点や、教育現場におけるコンテンツの複製利用や、遠隔授業において教材となるコンテンツの送信に関する法的な課題が紹介された。


権利者IDの導入により権利処理の負担軽減へ

権利者IDの導入による権利関係処理のイメージ
 著作権ビジネス研究会の主査を務めるJASRACの菅原瑞夫氏からは、「著作権等の権利関連団体における著作権情報管理のあり方」と題した、権利者IDを利用したコンテンツ流通のあり方に関する検討結果が報告された。

 権利者IDとは、コンテンツに関係する権利者情報をIDで管理することで、権利者の明確化と二次利用などを円滑に行なおうとするもの。発表では、たとえばドラマの場合には、監督、脚本家、俳優、作曲家、作詞家といった数多くの権利者が関係しているが、現状ではこうした権利者の氏名までは把握できても、許諾を得るためにどこに連絡すればいいのかが不明瞭であるために、二次利用などに際しては権利処理のための労力が膨大になってしまうという課題を示した。

 一方で、すでに多くの著作権管理団体はデータベース化を進めているため、研究会ではこれらを結合するための共通ID体系として「権利団体ID+団体内ID」という形式の権利者IDを検討例として示した。具体的には、日本写真家協会には「HJPO3201」というIDが割り当てられ、この協会の会員には「HJPO320100000111」といった権利者IDが割り当てられるという例を示した。団体内のIDは、すでに団体が付与しているものをそのまま使用することを想定している。

 研究会がまとめた権利者IDの導入に関する提言としては、各権利者およびコンテンツホルダーが権利者情報をIDを付与した状態でデータベース化していることが必要であること、団体内のID体系については標準化を行なわないこと、権利者やコンテンツホルダーなどが情報を共有し、スムーズな流通ができるための工夫が必要であることをの3点を挙げた。また、今後の予定としては、こうしたコンテンツ情報に関わる企業や団体による「CCDオープンプロジェクト(仮称)」を設立し、データベースの共有化や公開方法などについて検討を行なっていくことを明らかにした。


関連情報

URL
  デジタル時代の著作権協議会
  http://www.ccd.gr.jp/


( 三柳英樹 )
2004/04/14 19:42

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