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実質的に国産CDの還流を防ぐ〜輸入CD規制問題


文化庁著作権課課長の吉川晃氏
 17日に開催された「著作権フォーラム」では、2004年春の著作権法改正における実務を担当した文化庁著作権課課長の吉川晃氏が、輸入権CD問題の当事者として、輸入CDを巡る問題について解説を行なった。

 吉川氏は、この春に話題になったいわゆる「CD輸入権問題」の当事者の1人として、この輸入権問題を含む国会における著作権法改正についての解説を行ない、冒頭で「今回の改正に当たっては『著作権は文化のためだけではない』という意識で取り組んだ」とその背景にある姿勢を語ったほか、「確かに審議中には、特に衆議院で反対に近いような質問も数多く受けたが、結果的には全会一致で法案は可決されている」と、今回の改正が国会議員の理解を得ていることを強調した。


輸入CDの販売を妨げずに国産CDの還流を防止するにはこの方法しかない〜吉川氏

 吉川氏は国産CDの「還流防止措置」を巡る法改正について、「著作権の枝分権の一つとして輸入権を作るという方法もあるし、譲渡権について国内消尽を採用するという方法もあった」と述べつつ、CDの輸入行為を直接「みなし侵害」として規定したことについて「その方が実情になじみ、権利の実効性を確保できる」と語った。また同条文にある「情を知って」という言葉の意味がわかりにくいという点については、「実質的には『日本での販売を禁止する旨表示する』という意味だが、法律上『表示』と書くと、後から表示を削ったCDを輸入した場合や、無権利者が日本国内販売禁止と表示した場合などの措置が大変になってしまう」とその理由を述べた。

 また今回の改正法によって、国産CDだけではなく欧米から輸入されるCDについて輸入が差し止められるのではないかという懸念が多くのユーザから示されている点について、吉川氏は「具体的にはこれから税関と話し合う予定だが、今のところ同法の適用対象となるためにはCDのパッケージもしくはCD自体に日本語で『日本国内販売禁止』といった表示を行なうことを必須とするつもりであり、欧米メジャーが世界中で販売することを目的としたCDにわざわざ日本語でそういった表記を行なうとは考えにくい」と述べた。

 さらに、輸入差し止め条件となる「利益が不当に害されることとなる場合」の定義についても、「最終的には司法判断になるので断言はできないが、CD販売によって著作権者が得る収入を比較すると、欧米諸国はいずれも日本の90〜120%程度になるという数字が出ており、実際には欧米からの輸入CDがこの条件を満たして輸入差し止めになるようなケースは起こらないのではないか」「一方アジアの場合は、著作権者の収入は台湾や香港ではだいたい日本の半分程度であり、この条件を満たす可能性が高い」と語り、「おそらくこれよりもいい対策はないと思うし、実際国会審議の過程でもいい案は出なかった」として、この方式が法律の条文上は日本のCDと海外のCDを区別せずに、しかし実質的には日本のCDの還流のみを防止するにはベストの方法であるとの見解を示した。

 最後に吉川氏は今後の課題として、「これまで著作権法の改正はほぼ毎年行なってきたが、今でもかなり難しい問題を多数抱えており、専門家からは包括的・体系的見直しを要求されている」ことを挙げた。また、「それに対し、今の体制では調査期間として実質的に半年程度しか時間が取れないため、今後は改正間隔を2年おきとし、しっかり調査を行なって条文を書くための時間を取りたい」との意向を示した。これには一般からの「いつも突然法律の改正案が発表される」という批判に答える意味も含まれているとのことで、これにより今後は「文化庁の著作権分科会において中間報告を出した上でパブリックコメントを受け付ける時間が取れるようになる」という。

 ただし、吉川氏によれば、現在でも著作権関連団体からの改正を要望する項目が約140項目にも上っており、緊急性の高い改正を要する項目も多数積み残されている状況だということなので、はたしてこの思惑通り事が進むかどうかは今後の文化庁のお手並み拝見といったところだろうか。


吉川氏が挙げた著作権法の今後の課題

関連情報

URL
  東京都行政書士会 著作権相談センター
  http://www.chosakuken.soudancenter.com/


( 松林庵洋風 )
2004/09/17 20:46

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