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ソニーの考えるユビキタスは「感動」と「経済性」~CEATEC講演


 幕張メッセで開催中の電子・通信機器展示会「CEATEC JAPAN 2004」。初日のキーノートスピーチでは、ソニーの安藤国威取締役代表執行役社長が登壇。「ブロードバンド・コンバージェンスがもたらす新しいライフスタイル」と題し、ユビキタス分野に対する、ソニーのアプローチ手法を語った。


PCとAVの融合が急速に進む

ソニーの安藤国威取締役代表執行役社長
 安藤氏の言うブロードバンド・コンバージェンスとは、あらゆる電子機器が統合・融合され、いつでもどこでも、簡単に扱えるようにしようという考え方。「現在はテレビひとつをとっても、アナログの地上波のほかにBS・CS・地上デジタルと、受信のためにそれぞれの専用機器が必要で、さらにリモコンがひとつひとつに付随するような、開発者としてはじつに嘆かわしい状況」「これをどうやって解決・統合させるかということが利用者の利益に繋がる」と説明。

 さらに「一般に言うユビキタス社会の典型例とも重なるだろう」とも補足し、このような社会を、AVメーカーたるソニーがいかに実現していくかが課題であると述べた。

 課題克服に向けての一番わかりやすい例として、TVチューナーを搭載したPCの普及が進んでいることを挙げた。メーカー製PCは特にその傾向が顕著で、国内向けにラインナップされる製品のうち、約80%にはなんらかの形でチューナーを搭載しているという。またMP3を筆頭としたシリコンオーディオの技術も、PC利用者の底上げを強力に牽引したと分析。「PCとAVの融合が功を奏した例と言えるだろう」とアピールしている。

 また日本ならではのユニークな事例として、携帯電話にも言及。「テレビと比較しても引けをとらない台数が普及する携帯電話市場には、大きな魅力がある。コンテンツ量も世界では随一だろう」。また、携帯電話と着うた、PCとオンラインゲーム、iPodとiTunesのように、ハードウェアとソフトウェアの両方がそろった時、ビジネスが急激に成長する点も見逃せないと語った。


感動価値と経済価値

感動価値と経済価値を追求することが、ユビキタスの本質であると安藤氏は語る
 続いて「このようなブロードバンド・コンバージョンの市場を、どのように拡大させていくかに、どなたも興味があるだろう」とし、ソニーの考えるユビキタスの本質を解説した。

 安藤氏によると、本質を構成する要素は大きく分けて2つ。「なんて素晴らしい映像だろう」「いつでも使えて便利だ」という感動をユーザーに与える「感動価値」と、優れた検索性や生産性を高める技術というような、経済的利益を提供する「経済価値」を指摘し、「2つの要素がかみ合うことで、ユビキタスは完成するだろう」という。

 特に感動価値の分野では、ハイビジョン映像システムの存在をプッシュしたいと安藤氏。ここはまさにソニーが得意とするジャンルで、民生用HDVカメラの市販も10月中には開始する予定。「すでにユーザーからの問い合わせは数え切れないほど」と自信を見せた。

 また、「この映像精度をいったん体験してしまったユーザーは、決して旧方式のカメラに戻れなくなるだろう。そうすれば保存用メディアもDVDからブルーレイへ一気に移行していく可能性もある」と述べ、1つの製品が起こす波及効果はきわめて大きいという考えを示した。

 一方、経済価値の面では規格の共通化が有効だと訴える。ソニーでも各種の標準化団体を通じて著作権保護やハイビジョンテレビに関する様々な規格の共通化を推進しているという。「iモードのように、素晴らしいシステムでありながらもベースとなる携帯電話の方式の相違が要因で世界に広められないというのはもったいない。国際的なレベルで、グローバル、かつオープンな規格の制定に努力していく」と今後の方向性を語った。

 最後に安藤氏は「ブロードバンド・コンバージェンス市場の確立にはメーカー間の協調と、独自性の高い商品開発能力どちらも必要。今はまさにチャンスの時代なので、守勢にまわらず、ぜひオフェンシブな活動を行なって欲しい」と業界に向けてのエールを送り、講演を締めくくった。


関連情報

URL
  CEATEC JAPAN 2004
  http://www.ceatec.com/


( 森田秀一 )
2004/10/05 20:31

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