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ドコモのステガノグラフィ技術のデモ。奥の横山大観の絵には、独特の紋様がはっきりと見える
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携帯電話のカメラ搭載がもはや当たり前となり、それによりQRコード(2次元コード)を利用したURLの告知などが一般にも急速に普及し始めている。そんな中、2匹目のドジョウを狙って携帯電話を主なターゲットとした、画像にURLや数値などのデータを埋め込んでカメラでそれを撮るだけで情報が取得できるステガノグラフィ技術の開発に力を入れる企業が増えてきた。CEATEC JAPAN 2004でもNTTドコモと富士通が、自社で開発しているステガノグラフィ技術のデモを行なっていた。
NTTドコモでは、iアプリを利用して携帯電話で撮影したカメラの画像を16ビットの数値に変換した上で、ドコモが用意するサーバーに検索をかけることで、接続先となる電話番号やURLの情報がサーバーから返されるというシステムを展示。今回は横山大観の水墨画に情報を埋め込み、カメラでその絵を撮影しサーバーに情報を送信すると、その絵に関する情報を音声で案内するテレフォンサービスの電話番号が返されるというデモを行なっていた。
現在はまだ実験段階ということで、絵の周りには必ず太い枠線を設けなければならないほか、絵自体にもはっきり見た目でわかる程度にひし形のような紋様が入っている。今後は、iアプリの開発を進め、枠線がない形でも問題なくデータを検出できるようにするほか、データ量も32ビットに拡大するなどの改良を行なっていくとしていた。
なお、この技術は映画「キル・ビル2」のプロモーションなどですでに利用されているという。利用料は、透かしとして埋め込む1つの情報につき1つのIDが必要で、IDあたり30万円となる。
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富士通のステガノグラフィ技術のサンプル画像
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一方富士通では、携帯電話のネイティブアプリとしてFOMAにソフトを実装したほか、auの携帯電話向けにBREWによるソフトを開発し、名刺などに入れた画像や写真を携帯電話のカメラで撮影して情報を読み取るデモを行なっていた。こちらは物流などでの利用を意識したのか、JANコードと同じ桁数である10進数12桁を1画像に格納し、外部サーバーなしに電話番号などの情報を画像に収められる。
しかし、こちらも画像の位置を検出するために、画像の四隅に小さな十字のマークを表示する必要があるなどの制限がある。ただし、一般的なインクジェットのカラープリンタで出力した画像(1440×720dpiで動作を確認済みとのこと)にも情報を埋め込める。プラットフォームも、ドコモのほかauにも対応するということで汎用性が高いこともポイントだ。すでにいくつか引き合いは来ているそうなのだが、まだ実験段階ということで、「当面はソリューション営業の形で個別に相談することになる」(会場スタッフ)としている。
【お詫びと訂正】
NTTドコモブース展示のステガノグラフィ技術利用料について、以下の通り記事を修正いたしました。お詫びして訂正いたします。(編集部 2004/10/7 14:50)
誤:「利用には1件につき約500~600万円ぐらいかかる(会場スタッフ)」
正:利用料は、1つのIDにつき30万円
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関連情報
■URL
CEATEC JAPAN 2004
http://www.ceatec.com/
( 松林庵洋風 )
2004/10/06 13:15
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