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「音楽はネット配信でかなり変わるが、当面はCDと並存」レーベルゲート高堂氏


 東京都内で開催された日本音楽著作権協会(JASRAC)主催による「JASRACシンポジウム2004」では、レーベルゲートの高堂学代表取締役社長が「音楽流通の主役は交代するか?“CDと音楽配信”」と題して講演を行なった。


コンテンツは「Smart Application」

 LPレコードが誕生した1948年生まれで、「以前はカセットデッキでラジオ放送の録音をしたものだ」と語る高堂氏は、「ウォークマンでは音楽を持ち歩く習慣もついた。今ではiPodなどのHDDプレーヤーの出現で数千曲を持ち歩くこともできるようになった」と技術革新によって音楽がより身近な存在になったと解説した。

 続いて音楽配信の可能性について触れ、「コンテンツが正当な対価を得ないと創造のサイクルが維持できない」と述べた。高堂氏によれば、コンテンツビジネスは音楽コンテンツなどの「コンテンツ層」、TCP/IPなどのプロトコルによる「ネットワーク層」、サーバーやPCなどの「物理層」の3層構造で構成。ネットワーク層や物理層は「コンテンツの種類を問わず、何でも流通するもの」であるため「Stupid Network」と位置付ける一方、コンテンツは「大事な『Smart Application』だ」として、「コンテンツ層」の重要性を強調した。


音楽産業にも変化の兆し〜P2Pソフトとの提携や新しい規制方法を模索

レーベルゲートの高堂学代表取締役社長
 MP3の違法コピーサイトやP2Pファイル交換ソフトとの“戦い”にも言及した。まず、1998年の米国レコード協会(RIAA)がMP3プレーヤーメーカーであるRioを提訴したものの敗訴した例を紹介。それを受けてPC業界と共同で設立したデジタル音楽技術標準化組織(SDMI)が業界間の利害相反で頓挫してしまったことを挙げて、「必ずしも音楽業界が勝利を収めていたわけではない」とした。

 また、P2Pファイル交換ソフトについては、RIAAの訴訟によって2002年にNapsterが破産するなど一定の成果を認めたものの、「Napsterのような中央サーバー型ではない、ピュアP2Pソフトについては合法判断も出ている」と解説。むしろ「ソニーBMGとピュアP2Pソフトを提供するGroksterの提携が報じられるなど、音楽業界でも変化の兆しがある」という。

 こうした変化は「国内でも起きている」と高堂氏。コピーコントロールCD(CCCD)の旗振り役であったエイベックスやソニー・ミュージックエンタテインメントがCCCDから撤退したことを例に「正規に購入したユーザーを疑うのかという批判もあった。CCCDのようなやり方が権利の正当防衛なのか、それとも過剰防衛なのか、規制方法を考え直す時期なのではないか」と指摘した。DRMについては「ハリウッドなどの権利者はコンテンツを『使うな(No Use)』と呼びかけるが、P2Pソフトの提供者には『使い放題(Free Use)』を提唱しているものもいる。両極端ではなく、公正な視点で落としどころを探るべきだろう」との意見を示した。


iTMSの音楽レーベルは楽曲の値上げを画策

 米国の音楽配信については「アップルを中心にうまくいっていると思われているが、実際には『iTunes Music Store』(iTMS)のシェアは米音楽産業全体の1%程度」との数字を挙げた。「それでもレーベルゲートからすればうらやましいほどの成功だ。当時はMacのシェアは音楽配信という新しい分野の実験にはちょうどいい雰囲気で、価格も1曲99セントと安価だったことが“成功”の要因ではないか」と解説。「ちなみレーベル側ではiTMS開始から1年後の2004年段階で楽曲の値上げを画策していたが、その頃にはWindows版も始まっており、市場への影響が大きいことから中止したようだ」と裏話も披露した。

 国内の音楽産業も「iPodのようなHDDプレーヤーや音楽配信でかなり変わる」との見方を示しつつも、「国内ではCDレンタルサービスの発展が足かせになるのではないか」と危惧する。例えば「HDDプレーヤーに曲を保存する時に、正規に購入したCDをリッピングした、友達から借りたCDもリッピングしたとなると、手元にはもうHDDプレーヤーに保存するべきCDがなくなる。その場合に米国ではCDを買いに行くが、日本ではレンタル店に行ってしまう。音楽配信サービスとしてはこれが一番恐ろしく、アップルもこれを危惧しているのではないか」との見解を述べた。

 このほかにも、音楽配信の問題点として「ATRAC3やWindows Mediaなどの配信形式が乱立している」「PCの操作は難しい」「形のない商品を購入することに慣れていない」などを挙げた。また「現時点でCDプレーヤーは10数億台普及しており、当面『音楽配信もあるけどCDもね』というような並存状況が続くだろう」との見方を示した。


関連情報

URL
  JASRACシンポジウム2004
  http://www.jasrac.or.jp/culture/schedule/2004/1126.html
  関連記事:米Apple、iTunes Music Storeで1週間に100万曲を販売
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0506/apple.htm
  関連記事:米連邦地裁、米Napsterにサービス再開の禁止命令
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2001/0713/nap.htm
  関連記事:米連邦控訴裁、MP3プレイヤー「Rio」は合法と判決
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/1999/0616/rio.htm

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( 鷹木 創 )
2004/11/26 21:58

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