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ライブドアが有人宇宙飛行に“新規参入”〜堀江社長「早ければ3年以内に」


 「早ければ3年以内、遅くとも5年以内に民間企業による有人宇宙飛行の実現を目指す」――。ライブドアの堀江貴文代表取締役兼CEOが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が主催するシンポジウム「見上げる宇宙から使う宇宙へ2004」の基調講演「ビジネスマインドと宇宙ベンチャー」で宇宙ビジネスへの思いを語った。


ITと宇宙とベンチャーは切っても切れない関係になる

ライブドアの堀江貴文代表取締役兼CEO
 堀江氏は冒頭、「ITベンチャー企業の社長が宇宙のことを話すなんて不思議に思われるかもしれない」と切り出した。「プロ野球の新規参入ばかりクローズアップされてしまったが、昔から宇宙に興味があった」と語る。1970年代に生まれた堀江氏は、幼少のころから百科事典などで1960年代のアポロ計画を知り、宇宙にあこがれ、その後は「大学は宇宙工学科に入学したい」と考えたこともあったという。

 IT業界で宇宙に関心を示すのは堀江氏に限ったことではない。堀江氏によれば、南アフリカのIT企業家のマイク・シャトルワース氏は、2002年に米Space Adventures社によって世界で2人目の民間人として宇宙旅行をしている。2004年10月には、米Scaled Composites社が開発した宇宙船「SpaceShipOne」が有人弾道宇宙飛行を競うコンテスト「ANSARI X PRIZE」で、弾道飛行を成功させて賞金1,000万ドルを獲得しているが、このSpaceShipOneにはMicrosoftの創業者の1人であるポール・アレン氏が投資している。またアレン氏は、英Virgin Groupのリチャード・ブランソン氏と協力し、宇宙ツアー実現に向けて新会社のVirgin Galacticも設立したという。

 一時は宇宙工学を目指した堀江氏だが「数学が難しくて、結局挫折してしまった」。しかし、「研究者にはなれなかったが、ビジネスでそこそこ成功したことは良かった」という。「2〜300年前までは伝説かおとぎ話だと思われていたトロイ戦争だが、絶対にあると思って熱意を持って発掘したのがハインリヒ・シュリーマン。シュリーマンも考古学者ではない」と、30代で事業に成功し、そのお金を遺跡発掘につぎ込んだシュリーマンに堀江氏自身をなぞらえて説明した。

 「1960年代にアポロ計画が成功したのは人の力。人を動かしたのはお金の力で、国の予算を潤沢に利用できたから成功したのだ」と資金力の重要性を説く。もちろん、宇宙開発には研究者や研究に対する熱意は大事だ。しかし、東西冷戦のあった“アポロ時代”とは異なり、「現在は国威発揚のために国家予算を利用することはできない。また、例えば日本であれば米国や中国、ロシアに遠慮して有人飛行をしていないのではなどと思えてしまう」という。

 そこで、民間企業の出番だ。「民間企業なら国家間のしがらみも少ない。数兆円〜数千億円の予算規模では確かに難しいが、技術の発達した現在であれば、数百億円で有人宇宙飛行は可能だ」と意欲を表明し、「今後はITと宇宙とベンチャーは切っても切れない関係になるだろう」と予想した。


スペースシャトルは大失敗!?

 では、ライブドアはどうやってロケットを調達し、どうやって飛び立って、地球に戻ってくるのか。具体的な宇宙船のイメージについては、「米国のスペースシャトルは大失敗だった」とコメント。「スペースシャトルは荷物と人間を同時に乗せる。何十人分もの荷物を人間と同じ安全基準で運ぶから、必要以上にコストがかかる。また、どうしても宇宙船本体が大きくなってしまうし、大きくなればなるほど飛行する難易度も高くなる。ソユーズで人、プログレスでモノを運んだロシアは結果的には正解だった」と分析した。ライブドアのロケットも「ロシアと同じように人間用、荷物用と分ける予定だ」という。

 ライブドアのロケットには、「推力の大きいロシア製エンジンを採用して、燃料には液体酸素と灯油を使う。日本のH2ロケットでは液体水素を採用しているが、難易度が高く民間会社としては使う必要はない」。また、通信手段も「衛星通信携帯電話を使えばいい。昔は背中に担ぐほど巨大だったが、今では携帯端末もある」。軌道計算に利用するコンピュータについては「1950年代に成功した有人飛行の技術は、現時点で枯れている古い技術を用いても十分実現可能だ」と分析した。

 地球に戻ってくる際は、「ロシアなら草原に、米国なら海にパラシュートで着陸しているが、パラセーリングを使えば日本の島にも着陸できる」という。また、宇宙船の回収についても「米国は第七艦隊を動員していたが、漁船2隻で回収できるはずだ」と民間企業ならではの提案も披露した。


子どもたちに夢を

 こうしたロケット計画のもとライブドアでは「早ければ3年以内、遅くとも5年以内に有人宇宙飛行の実現を目指す」という。「有人宇宙飛行自体は日本の技術力があれば、10年以上前に実現できたはず。『月に行けることはわかっている』と結論だけ言うのではなくてやってみること。インターネットも10年前には将来が予想できたが実装して広めることがすごい。iモードだって、初めて見たときは『フツーじゃん』と思ったが携帯端末に搭載されると、思ってもみなかった利用方法が現われた」とし、そうした“成果物”を生み出せなかったことが、日本の宇宙開発の遅れにつながったのではないかと述べた。

 さらに有人宇宙飛行を成功させた中国にも触れ、「いろいろ言われているが、最終的に人間を宇宙空間に送り出した中国は立派だ」と評価。「日本でサッカーがこれほど普及したのは『キャプテン翼』のおかげ。少年時代の強いあこがれは将来に必ず影響する。中国でもロケットにあこがれた子どもたちが将来はよい技術者になるだろう」と指摘。「プロ野球に参入を決意した時も、今、野球選手が子どもたちにあこがれを与えられていないと危機感を表明した。宇宙開発も一緒で、子供たちに与えられるような目標や夢を見せてほしい」と訴えた。

 堀江氏は、「資金調達とプロジェクトマネージメントで宇宙開発に主体的に参加できるようになってきた。地球上で環境問題を議論するのも大事だが、宇宙には見果てぬフロンティアが広がっている。がむしゃらに頑張れば想像以上に頑張れるのが人間。宇宙開発は停滞している世界を再び活性化させる手段になるのではないか」と語り、「地球周回軌道上の宇宙飛行だけでなく、月面着陸や火星旅行なども民間企業で行ないたい」と講演を締めくくった。


関連情報

URL
  見上げる宇宙から使う宇宙へ2004
  http://www.jaxa.jp/spacebiz/enterprise/


( 鷹木 創 )
2004/12/16 15:16

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