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無線LANで600Mbpsを目指すIEEE 802.11n〜IDF-J 2005レポート


 インテル・デベロッパー・フォーラム Japan 2005(IDF-J 2005)で8日、ワイヤレスUSBやIEEE 802.11nといった次世代の無線通信技術についての技術トラックが開かれ、現時点での規格の策定状況やスペック等について説明が行なわれた。


ワイヤレスUSBに残された問題はデバイスの認証

IntelのJeff Ravencraft氏
 ワイヤレスUSBについては、一般向け技術トラックでIntelのJeff Ravencraft氏とBrad Hosler氏が規格の概要と最新状況について説明した。また、プレス向けにRavencraft氏や日本テキサスインスツルメンツの山口博久氏らが別途セミナーを行なった。規格の概要についてはすでに大方のところは固まっていることから、今回の講演も大半は概要の説明に終始した。

 ただし、いまだに流動的な状況にある部分もいくつか存在するという。その最たるものが、ワイヤレスUSBデバイスとホスト(通常はPC)が初めて接続する際の認証方法だ。認証方法については、以下の2つの方法が以前から紹介されていた。

・初回のみ有線のUSBケーブルで接続してセキュリティキーを交換する方法
・赤外線通信によりセキュリティキーを交換する方法

 これに加えて、さらに2つの方法が検討されていることが明らかにされた。

・無線ICカードの通信プロトコルとして使われているNFC(Near Field Communication)を利用する方法
・暗号化されていないUWB通信でセキュリティキーを交換した上でその内容をLEDやディスプレイ等に表示し、ホストとデバイス双方で表示された内容が一致したことを確認し、ユーザがボタンを押して接続を確立する方法

 Hosler氏によれば、この中から最終的には1〜2方式が選ばれて規格として採用される予定だということだが、どの方式が採用されるかどうかははっきりしないという。またRavencraft氏によれば、認証方式が選ばれた後でも、どの方式をホストやデバイスに実装するかは各ベンダーの判断に任されているという。したがって、あるデバイスは有線ケーブルによる認証にのみ対応する一方で、あるホストはNFCによる認証にのみ対応するといった具合に、同じワイヤレスUSB対応機器でも認証方式が異なり接続ができないといったことが起こる可能性がある。

 すでにワイヤレスUSBの規格自体は4月1日にVersion 1.0RC(リリース候補版)が完成しており、45日間のレビュー期間を経て5月15日には正式な規格として承認される見込みとなっているという。また5月24日〜25日にサンノゼでワイヤレスUSBの開発者を集めた会議を開催する予定で、一般向けにはその場で正式な規格がお披露目されることになるとHosler氏は語った。

 ワイヤレスUSBの利用にあたっては、UWBの利用に関する行政の規制緩和が行なわれることが不可欠となる。この点については山口氏が「現在、民間レベルで実際にさまざまなシステムとの間で干渉の度合いを測定しているところで、そのデータがまとまり次第改めて総務省の研究会での議論を再開したい」「欧州委員会の方でも今年末にはUWBシステムに関するなんらかの結論が出る見込みなので、日本もそれに遅れを取らないようにしたい」との意向を語った。具体的には電波天文や観測衛星など、特にUWBとの干渉の影響が大きいとされるいくつかのシステムに対して、それらが使用している周波数帯域の部分のみ電波の出力を落とす(OFDMの出力を止める)方向で検討が進められているとのことだ。


有線ケーブルでセキュリティキーを交換する接続モデル NFCを利用した接続モデル

802.11nの600Mbpsモードとは?

インテルの庄納崇氏
 IEEE 802.11nについては、7日に行なわれたワイヤレス・ブロードバンド・ワークショップにも登場したインテルの庄納崇氏が、詳細な内容について解説した。

 なかでも注目は、802.11nのオプション仕様として検討されているという600Mbpsモードだ。802.11nは標準でも従来の無線LANの2倍以上の速度を実現するという目標が掲げられているが、600Mbpsモードはこれをさらに高速化するものだ。

 現在、802.11nのベース仕様として最も有力となっている「TGnSync」では、チャネル幅を標準の20MHzから40MHzに拡大し、アンテナの最大数を2本から4本に増やすことに加え、エラー訂正符号として10GBase-T等にも採用されているLDPC(Low Density Parity Check)方式を採用する。さらに、電波の伝播状況を検知し、それに合わせてアンテナごとの電波出力を動的に可変させる「Advanced Tx Beamforming」を導入するなどの手法により、物理層レベルで最大600Mbpsの速度を実現するという。

 またMAC層においては、複数のパケットをまとめて伝送することでシステム全体のスループット向上を狙う「Frame Aggregation」など、従来から導入が検討されてきた仕組みに加え、無線LAN上でQoSを実現する規格であるIEEE 802.11eの仕組みをサポートすることが必須となったという。

 庄納氏は、802.11nに関するインテルの製品計画への言及は避けたが、一方で「(インテルが支持する)『TGnSync』にはQualcommも合流し、当初Motorolaと共同で『MitMot』を提案していた三菱も途中で『TGnSync』に乗り換えている」として、インテルの提案の優秀性を強調した。


IEEE 802.11nの物理層の技術概要 標準モードとオプションモードの違い

関連情報

URL
  インテル・デベロッパ・フォーラム Japan 2005
  http://www.intel.co.jp/jp/idf/

関連記事
携帯機器のコネクタを置き換えるワイヤレスUSB〜セッションレポート(2004/10/21)
インテル庄納氏「IEEE 802.11nはより体感に近い100Mbpsを実現」(2005/04/07)


( 松林庵洋風 )
2005/04/11 13:25

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