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NTTの山田副社長
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「RSA Conference 2005 Japan」では、NTTの山田隆持代表取締役副社長が「安心・安全を提供するNTTグループの取り組み」と題して基調講演を行なった。
山田氏はまず、「NTTではこれまでも安心・安全・信頼をアピールしてきた」と強調した上で、「インターネットは生活、ビジネスの中心になっている。安心・安全は本腰を入れて取り組まなければならない問題だ」とコメント。
2005年5月現在で約139Gbpsという急増する国内トラフィック、2004年に届出数が5万件を超えたウイルスやサイバーテロ、地震などの大規模災害といった諸問題に対して、「NTTグループの総合力を活かして、固定網の高品質・高信頼性とIP網の低廉性などを統合したフルIPによる次世代ネットワークを開発する」という。
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暗号に対する攻撃方法でも上位にランキング
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個々の技術開発では、暗号技術として共通鍵暗号「Camellia」や公開鍵暗号「PSEC-KEM」を挙げ、「いくつかの暗号技術は国際標準に採用されている。また、暗号に対する攻撃方法(素因数分解)の研究も行なっており、世界ランキングではNTT・立教大学・富士通の共同グループが特殊数体ふるい法(SNFS)で世界1位。一般数体ふるい法(GNFS)でも5月9日にボン大学に抜かれるまでは1位だった」という。
また、量子暗号の研究でもスタンフォード大と連携。「量子暗号が実用化できれば、暗号技術そのものが飛躍的に進化する」とし、5年後の実用化を目指すとコメントした。さらに、DDoS対策に攻撃をトラッキングして攻撃者の直近でネットワークを遮断し、正規ユーザーの通信を確保する「Moving Fire Wall」、データセンターで一括して情報を管理することで情報漏えい対策を行なう「ストレージ・セントリック・セキュリティ・システム」を紹介。いずれも実証実験などを行なっており、「ほぼ商用化」の段階だ。
このほか、NTTグループ全体のセキュリティマネジメントを行なうNTT CERT(Computer Emergency Response Team)を紹介。「専門家によるチームを作って、インシデントに対処する。NTTグループ全体の被害を極小化するとともに、被害を未然に防止するために設置した。いわゆる“安心・安全チーム”といって良い」と述べた。
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DDoS対策技術「Moving Fire Wall」
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こちらは「ストレージ・セントリック・セキュリティ・システム」
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● NTT東日本では3月のFTTH純増数が5万超過「半年後には西でもFTTH増加する」
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NTT東西の月別ADSL・FTTH純増数
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なお、山田氏はADSLとFTTHの月別純増数についても言及。「NTT東日本では2004年10月から11月ごろにFTTHの純増数がADSLを超えた。直近の3月のデータではADSLは2万契約を超えるに止まったが、FTTHは5万契約を超えた」とコメントした。
一方、NTT西日本では徐々に差は失われつつあるものの、3月時点ではADSLが3万契約を超えたがFTTHは3万契約に届かず、依然としてADSLが優位な状況にある。山田氏は「長年の経験から、東で起きたことは半年遅れで西にも起きる。いずれはNTT西日本地域においてもFTTHがADSLを超えることになるだろう」と予想した。
最後に「安全な光アクセス・次世代ネットワークの構築」「各業界を跨った連携体制の構築」「法制度の整備」「社会的コンセンサスの形成」などの課題を挙げた上で、「これからは、安心・安全に金を使う時代になってくる。NTTでは今までも安心・安全・信頼でお客様に接してきた。これからも従来通り、安心・安全で信頼できるサービスを提供する」と述べて講演を締めくくった。
関連情報
■URL
RSA Conference 2005 Japan
http://www.medialive.jp/events/rsa2005/
■関連記事
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( 鷹木 創 )
2005/05/13 18:29
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