NHK放送技術研究所では5月26日から29日まで、放送技術の研究成果などを一般に公開する「技研公開2005」を開催している。展示会場では、ホームサーバーやネットワーク上のサーバーに蓄積されたコンテンツを視聴する「サーバー型放送」に関する研究が紹介されている。
サーバー型放送とは、放送されたコンテンツをホームサーバーやネットワーク上のサーバーなどに保存し、ユーザーが好きな時間に番組を視聴できる放送サービス。番組を録画するだけであれば、現在のハードディスクレコーダーなどでも行なえるが、サーバー型放送では放送局側が過去の番組内容などの情報をコンテンツとして提供することで、番組をデータベースやアーカイブのような形で利用できる点が特徴となる。
展示会場では、大相撲中継のサーバー型放送のデモが行なわれている。ホームサーバーに録画された大相撲中継には、映像データに加えて番組の内容を記述した情報「メタデータ」が同時に記録されている。どの時間にどの力士が登場し、対戦結果はどうであったかといったメタデータが用意されているため、相撲の対戦表から見たい対戦を選び、そこだけを視聴するといった使い方が可能になる。
また、ホームサーバーに蓄積されている番組だけでなく、「この力士の過去の対戦を見る」といったメニューを選択すると、インターネット経由で過去の映像を配信するビデオオンデマンド型のサービスに接続し、過去の対戦映像を視聴するといった使い方も想定されている。こうした外部のサーバーを利用した放送サービスについては有料のモデルが想定されており、NHKでは放送法により課金サービスが行なえないが、関連会社と連携してサービスを展開していきたいとしている。
サーバー型放送は、2005年秋にはメタデータの規格化が完了し、2007年頃にはサービスを開始する予定としている。ただし、外部のサーバーを利用する放送サービスについては、通信回線で配信を行なうことについての著作権や契約をクリアにしなければならないといった課題が残っている。
会場ではこのほかにもサーバー型放送に関連する技術として、異なる映像配信サービスを1回の認証で利用できるようにするシングルサインオン認証方式や、放送内容からメタデータを自動的に生成するためのシステムなどが展示されている。
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サーバー型放送サービスの概要
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サーバー型放送のデモ。「放送中」「蓄積再生」「ネット再生」などのメニューが用意されている
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関連情報
■URL
技研公開2005
http://www.nhk.or.jp/strl/open2005/
NHK放送技術研究所
http://www.nhk.or.jp/strl/
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( 三柳英樹 )
2005/05/26 21:30
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