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「中国の著作権侵害の状況は20年前の日本と同じ」〜ACCS久保田氏


 幕張メッセで開催中の「CEATEC JAPAN 2005」では5日、コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)の久保田裕専務理事が、「ACCSの活動と日中著作権ビジネス」と題した特別講演を行なった。講演では、2003年に中国の上海市に設立した「ACCS上海」の活動の中から、中国における著作権侵害の実態や、中国の著作権法制度の現状などが語られた。


横行する中国の海賊版を海外から締め出す活動を

コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)の久保田裕専務理事
 久保田氏は冒頭、ACCSは1985年10月の設立から今年で20周年になるとして、「我々が活動を始めた20年前は、日本の違法コピーの稼働率は85%ぐらいと言われていた時代で、当時のワースト3は日本と中国とタイ。海外からも、日本は知的財産に対する意識が低いと言われていた。しかし、最近の調査によれば、日本の違法コピーの稼働率は28%ぐらいで、これは良い方から数えて世界のベスト8に入っている。海賊版ソフトの販売などにも警察当局が積極的に動いており、違法コピーに対して日本は世界一きれいな国になったのではないかと自負している」とこれまでの活動を振り返った。

 一方で、「今の中国の状況は、まさに20年前ぐらいの日本のような状態だとイメージしていただきたい」と語り、「日本でもかつては、例えば学校で『一太郎』を使って授業を始めようとすると、まずはソフトのコピーから始めていた。業者も平気でそういうことをしていたし、先生方もそれを持って帰って家のPCで稼動させていた。中国もまさにそういう状態」だとして、中国の著作権侵害の現状を説明した。

 久保田氏は、「中国のエリート校である復旦大学などでも、学内に『カバン屋』と呼ばれる違法ソフトを販売する者が出入りしており、ビジネスソフトなどは5元(70円)程度で買うことができる」という現状を紹介。著作権情報センターの調査によれば、上海市で売られている日本のゲームソフトの95%は違法コピーで、「真性品を見つける方が大変な状況」だという。また、米BSAの調査では、中国におけるソフトウェアの違法コピーの稼働率は90%で、世界でも3番目に悪い数字となっていることなどを紹介した。

 こうした状況に対して、現状では中国での摘発はなかなか進んでいないのが実情としながらも、ACCSでは当面の活動として、中国製の海賊版がヨーロッパなどで出回っていることから、こうした海賊版を海外で摘発していくことから進めていきたいとした。久保田氏は、「違法コピーされた日本のアニメDVDやマンガがヨーロッパなどにも輸出されている。こうした海賊版を、現地の警察と協力して摘発する活動などを進めていきたい」と語り、輸出先となっている国から海賊版を締め出していくことで、海賊版の生産地である中国を押さえ込んでいけるのではないかという考えを示した。


中国におけるゲームソフトの著作権侵害状況 世界各国の違法コピー稼働率

中国の日系企業内での著作権侵害を防ぐことも重要な課題

 中国でも、2002年にはコンピュータソフトウェア保護条例が成立、2005年にはインターネットを通じた著作権侵害についてのプロバイダーの責任範囲を明確にするなど、WTOに加盟したことなどもあって著作権に対する法制度の整備は進んでいる。また、「中国でも海外留学からの帰国者などは著作権に対する考え方がしっかりしており、彼らは著作権ビジネスについても関心が高い」として、中国での著作権に対する制度や意識も前進してきていると説明した。

 ただし、法制度は整備されても、その制度の執行面ではまだまだ課題が多いという。中国での著作権侵害に対しては、侵害行為の差し止めや損害賠償を求める民事責任のほかにも、懲役刑や罰金が科せられる刑事責任があるが、一定の金額以上の侵害でないと刑事罰が科せられない制度となっており、これが抜け穴になっているという。

 また、日本の公正取引委員会に相当するような「版権局」という組織があり、版権局は著作権侵害行為に対して独自の捜査権を持ち、罰金を科すこともできるという。最近ではこうした版権局の活動も活発になってきているが、抑止力としては中国公安当局による刑事罰の方が効果が大きいとして、取り締まりの強化を求めていくとした。

 一方で、こうした取り締まりの強化に伴って問題となりつつあるのが、中国に進出している日本企業での著作権侵害行為だという。久保田氏は「中国での違法コピー率が90%というデータがあったが、残りの10%のほとんどは欧米系の企業。こうした企業では本国同様に著作権侵害に対して厳しく対処している。一方、日系企業はトップだけが日本人であとは現地スタッフという状況が多く、残念ながら違法コピーが蔓延している」という現状を説明。「こうした状況で取り締まりを受けた場合には、日本企業も違法コピーをしていると宣伝されかねない」として、ACCS上海でも中国での日系企業に対して著作権遵守のための活動を進めていくと語った。


中国の著作権に関する法制度と執行 ACCS上海の活動内容

関連情報

URL
  コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)
  http://www2.accsjp.or.jp/
  CEATEC JAPAN 2005
  http://www.ceatec.com/

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( 三柳英樹 )
2005/10/05 21:22

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