● 眼鏡をかけると顔が変わる「電脳コスプレミラー」
電脳コスプレミラーは、黒いマーカー付き眼鏡をかけてディスプレイの前に立つと、自分の顔が動物やお面、知恵ちゃんなどに変化する。これはディスプレイの設置されたカメラがマーカーの情報を解析して顔を合成しているもので、マイクロシステムインテグレーション研究所の松岡裕人氏とサイバーソリューション研究所の宮下直也氏が出展した。
マーカー情報からの顔合成には、NTTアドバンステクノロジの3D画像合成システム「AmezeART 1.0」を利用する。角度の変化に応じて、合計6パターンへと表情が変化する。今回の展示では顔の合成に絞られていたが、全身の合成なども可能。それ以外にもインテリアシミュレーションや商品陳列の模擬といった利用方法があるという。
顔の角度が変化すると、それに応じて合成画像も表情が変化する
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また、電脳コスプレミラーでは松岡氏と宮下氏がそれぞれ手がけている技術も利用されている。松岡氏の「高リアリティ3Dキャプチャシステム」は、15度間隔で設置したデジタルカメラ7台と360度に回転する円盤上の台を組み合わせて、対象物を撮影。それらのデータから立体映像を作成している。
円盤台と背景部分にはELシートが取り付けられており、発色している状態としていない状態の2パターンを撮影することで、写り込みや影の部分を判断して対象物そのものの画像を取り込むことができる。これにより、ガラスの透過量や光沢感なども再現が可能になる。なお、従来はカメラ1台で撮影を行なっていたが、7台に増やしたことで撮影時間が30分から7~8分間程度に短縮化が実現できたいう。
一方、写真などから取り込んだデータに関しては、前回イベント「ちえらぼ」にも出展した宮下氏によるソフトウェア「Flash 3D顔顔合成技術」を利用。同技術を利用することで、1枚の画像から表情の作成が可能になる。
宮下氏は「電脳コスプレミラーは子どもの反応も良いことから、アミューズメント施設での利用が考えられるのではないか」とコメント。また、インテリアシミュレータでの活用も考えられるとした。なお、展示ブースでは変化した顔を写真にプリントしてもらうことも可能だった。
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ちえらぼ2で用意されたマーカー
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高リアリティ3Dキャプチャシステムで取り込まれた画像
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高リアリティ3Dキャプチャシステムのデモも
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光の有無それぞれを撮影することで、影などを判別して処理しているという
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● 画面情報に応じてマウスの温度が変化する「ひやあつマウス」
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知恵ちゃんのイラスト画像と組み合わせて、ひやあつマウスの温度変化が体験できる
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「ひやあつマウス」は、サイバーソリューション研究所の中茂睦裕氏が出展。小型冷蔵庫やCPUの冷却などに利用されている「ペルチェ素子」を搭載したマウスで、25度から50度までの温度変化が可能だという。
展示スペースには、ちえらぼのイメージキャラクターである“知恵ちゃん”のイラストに温度データを登録。例えば、蚊取り線香をマウスでクリックすると暖かい温度に、かき氷をクリックすると冷たい温度へと変化する。また、マウスの温度変化によってさつまいもを掘り出すゲームも用意され、温度変化によってさつまいも以外にも畑に隠れている生物を掘り起こすことができる。
中茂氏によれば、開発の初期段階ではジョイスティックを使用した実験も行なっていたということで、エンターテインメント向けの利用も考えているという。また、「パソコンの稼働状況を熱で伝えることで、どれだけパソコンが頑張っていることがわかるのも面白いかもしれない」と述べた。
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さつまいも掘りゲームも用意
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展示品では冷却にヒートシンクを利用しているが、ファン型のタイプも試作していたという
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関連情報
■URL
ちえらぼ2
http://www.chie-lab.jp/
Necca秋葉原店
http://www.necca.ne.jp/~akihabara/a/m.htm
( 村松健至 )
2005/10/14 21:01
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