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米Googleのエンジニアリングディレクターを務めるマグラス・みづ紀氏
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「WPC EXPO 2005」で28日、米Googleのエンジニアリングディレクターを務めるマグラス・みづ紀氏が「Googleが拓く次のネット社会」と題する講演を行なった。
マグラス氏は講演の冒頭で、Googleのこれまでの歩みを振り返った。スタンフォード大学の校内で検索サービスを開始したものの、Googleへのアクセスで大学のネットワークがしばしばダウンしたといったエピソードを紹介。その後、大学を離れてガレージ企業としてスタートし、現在では25のオフィスを持ち約5,000人の従業員を抱える大きな企業になったと語った。
ただし、企業としては大きくなっても、「世界中の情報を整理し、それをアクセス可能で有益なものにしたい」というGoogleの使命は創業当時から変わっていないと説明。Googleのサービスの特徴として、「包括的」「グローバル」「いつでもどこでも」「パーソナライゼーション」の4つのキーワードを挙げ、Googleが現在提供しているサービスを紹介した。
Google NewsやGoogle Localといったサービスは、包括的にあらゆる種類の情報を検索可能とするために開始したサービスで、書籍の内容を検索できるようにする「Google Print」など、さらに新たなプロジェクトを進めているとした。
また、「グローバル」も重要なキーワードだとして、Googleでは100以上の言語への対応を進めていることなどを紹介。単にその言語で検索できるようにするだけでなく、例えばGoogle Mapsなどをローカライズするには、その国の住所表記のルールなどに対応させなければならず、各国でのサービス展開には労力が必要になると語った。
こうしたGoogleのサービスの開発にあたっては、3~5人の少人数でグループを作って取り組んでいるという。また、開発者には「勤務時間の20%は、自分が興味のあるアイディアに取り組んでよい」という「20%ルール」が与えられ、このルールによってGmailやorkut、Google Newsなどが生まれたという。20%ルールはすべての開発者に対して適用され、新たなサービスの開発や検索効率の改善などの大きな原動力になっているという。
今後のGoogleの方向性については、Googleのエンジニアも参加している「Gigapixl Project」を紹介。Gigapixl Projectは、1ギガピクセル(10億画素)のデジタルカメラを用いて全米各地の風景を記録しているプロジェクトで、「現在はこうしたカメラはまだ特別な存在だが、いずれ一般の人もこうした機材を利用できるようになるだろう。爆発的に情報やデータは増えているが、まだ我々はその一角しか捉えていない。例えば書籍は30秒に1冊の割合で出版されているという。Googleではやはり従来と同様に、それらの情報を整理し、世界中の人に、あらゆるデバイスからの検索を提供していきたい」と語り、講演を締めくくった。
関連情報
■URL
WPC EXPO 2005
http://expo.nikkeibp.co.jp/wpc/top.html
Google
http://www.google.co.jp/
Gigapixl Project
http://www.gigapxl.org/
( 三柳英樹 )
2005/10/28 19:56
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