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「重要メールはサーバー上で一括管理すべき」米Symantec香川氏


 シマンテックは1日、プライベートイベント「Symantec VISION*Xchange 2005」の報道関係者向け説明会で、ベリタスソフトウェアとの統合後初となるジョイントソリューション「Symantec Email Security & Availability ソリューション」を発表した。あわせてメールに関する現状と課題を説明した。


米国政府がハリケーン「カトリーナ」で非難されたのはメールを失ったせい!?

米Symantecの香川ディレクター
 メールの現状と課題を説明したのは、米Symantecの香川悦子ソリューションマーケティングディレクター。香川氏は米Gartnerなどの資料を引用しつつ、「メールの60%以上がスパムメール」「ウイルスの80%以上がメールから感染する」とし、メールのセキュリティについては依然として重要であるとの考えを示した。その上で、「ビジネスメールは2009年までに毎年25~30%ずつ増加する」とコメントし、メールを保管するストレージがひっ迫する可能性があるという。

 また、米国では企業改革法(Sarbanes-Oxley Act、通称SOX法)をはじめ、メールを含む書類の保存に関する法令が施行されており、「79%の企業は、クライアントからのメールなどを承認・発注・取引の確認書としての証拠だと認めている」という。また、「メールには企業の知的財産の75%が保存されている」とし、法令遵守の観点からも米国の大企業においては、従業員のメールをクライアントPC上にダウンロードさせずに、サーバー上で一括管理するケースが増えていると指摘する。

 米国政府は現在、カトリーナなどのハリケーンの対応で非難されているが、原因は被害調査のために派遣した各レポーターからのメールを失ってしまったことだという。「あまりの被害に各地のレポーターからメールが殺到し、サーバーがダウンしてしまった。そのため、各レポーターに対して誰がどのような指示を出したのかわからなくなってしまった」。

 日本では、金融庁が7月に日本版SOX法の草案を公表しており、早ければ2008年にも施行される見込みだ。「(日本版SOX法は)米国より制限が厳しくない可能性もあるが、それでもメールは企業側で管理した方がいい」という。


統合後初のジョイントソリューション、ハードコストを6万ドル削減した導入例も

ベリタスソフトウェアとの統合後初となるジョイントソリューション「Symantec Email Security & Availability ソリューション」
 ベリタスソフトウェアとの統合後初となるジョイントソリューション「Symantec Email Security & Availability ソリューション」では、ベリタスのバックアップソリューションを基盤に、シマンテックの迷惑メール対策アプライアンス「SMS 8160」や、ソフトウェアベースのメールアーカイブフレームワーク「VERITAS Enterprise Vault」などを組み合わせた。

 SMS 8160は、スパマーのIPアドレスを検知し、そのIPアドレスからのトラフィックを制限する「アンチスパムルータ」だ。また、従来はCCなどで複数に送信されたメールを1通ずつ保存していたが、VERITAS Enterprise Vaultでは、1通分のデータのみ保存する。例えば、CCで複数のユーザーに同一の内容で送信されたメールは、「CCで複数に送信された」という情報とメール1件分の本文内容を保存する。こうした処理により、従来のシステムに比べて保存容量を80%程度削減することができた。実際に導入したという米Direct Mediaではメール保存用ファイルサーバーを6台から1台に削減。ハードウェアのコストを6万ドル削減できたという。

 香川氏によれば、このソリューションは、従業員1,000人規模以上のエンタープライズ向け。導入費用も状況によって異なるが、最小構成で1,000万円程度だという。「新生シマンテックではセキュリティからアーカイブまで包括的なソリューションを提供できる。メッセージングシステムの“エコシステム”を作りたい」と抱負を述べた。


「IT業界は、そろそろ“大人の業界”に」シマンテック木村社長

 発表会場には、米Symantecのアジア・パシフィック/日本地域担当シニアバイスプレジデントを務めるスティーブ・レオナルド氏や、10月にシマンテック日本法人の代表取締役社長に就任した木村裕之氏も登場した。

 レオナルド氏によると、シマンテックでは「メール」「ビジネスの継続性」「コンプライアンス(法令遵守)」を主要なターゲットにサービスを提供するという。「社外からのアタックだけでなく、システム障害などの社内の脅威からもビジネスを守る」とし、シマンテックの掲げる「Information Integrity(情報の完全性・保全性)」をアピールした。

 「これまで急激な成長を遂げてきたIT業界だが、そろそろ“大人の業界”に成熟しなければならない」と木村氏。「ITインフラを安全に、継続性のあるビジネスのためのインフラにしていく」と抱負を語った。


米Symantecのレオナルド氏 10月にシマンテック日本法人の代表取締役社長に就任した木村氏

関連情報

URL
  Symantec VISION*Xchange 2005
  https://jp-enterprisesecurity.symantec.com/product/svx2005/
  シマンテックのニュースリリース
  http://www.symantec.com/region/jp/news/year05/051101a.html
  金融庁の報道資料
  http://www.fsa.go.jp/news/newsj/17/singi/f-20050713-2.html


( 鷹木 創 )
2005/11/01 21:37

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