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「新しいWebアプリを望む人はFirefoxを使っている」Mozilla Japanセミナー


 Mozilla Japanは2日、「Mozilla Japan 第2回セミナー」を開催した。セミナーでは、米Mozilla Corporationの事業開発担当副社長を務めるJohn Lilly氏が「Mozilla―その過去・現在・未来」と題した講演を行ない、Firefoxの現状と今後の予定などについて語った。


日本でFirefoxの普及は遅れているが、先進的なユーザーに利用されている

米Mozilla Corporationの事業開発担当副社長を務めるJohn Lilly氏
 Lilly氏はMozillaのこれまでの活動を振り返り、製品のユーザー数の伸びを示すグラフを紹介。特に2004年にFirefox 1.0をリリースしてからは急速にユーザー数が上昇し、2006年2月現在では約5,500万人のユーザーがFirefoxを利用していると語った。

 Firefoxが選ばれている理由については、セキュリティ面において優れていることや、使いやすく、速く、シンプルであること、カスタマイズ性に優れていることなどを挙げ、世界全体ではWebブラウザの12%のシェアを獲得したとした。地域別に見ると、ヨーロッパでは約20%、北米でも約15%のシェアを獲得しているが、アジアでのシェアは10%以下であるという。また、日本でのシェアはさらに低く、現時点では4%程度のシェアにとどまっているとした。

 Firefoxのユーザー全体で見ると、英語版が全体の65%で、ドイツ語版が14%、フランス語版が7%、日本語版が5%となり、日本語版のユーザーの割合も決して低くはないという。しかし、なぜ日本でのシェアが低いのかについては、Lilly氏は「我々もその理由が知りたいと思っている。それは文化的な理由であるのか、オープンソースは日本では受け入れられないのかといった推測もしているが、ぜひ皆さんからの意見をいただきたい」と語った。

 一方、Firefoxは「Web 2.0」的な新しいサービスにおいては、シェアが高いという事例を挙げた。ブログツール「WordPress」の利用者は53%がFirefoxを利用し、閲覧者も38%がFirefoxを利用しているという。また、日本でも「はてな」の全トラフィックのうち15%はFirefoxによるものだとして、現状の日本のシェアよりも高いことを紹介。これらのデータからは「新しいタイプのインターネットのアプリケーションを望んでいる人が、Firefoxを使っている」ということが読み取れるとした。

 Lilly氏は、日本市場でも2006年にはシェアを4%から12%に上げたいとして、Yahoo! JAPANとの提携によりFirefoxのスタートページにYahoo! Searchを採用したほか、Yahoo! JAPANのサイトからFirefoxのダウンロードが可能になるといったパートナーシップを結んだことを紹介。また、日本でもマーケティング活動を増強するほか、エンタープライズ市場に対する取り組みも強化するとした。


「Firefox 2」は2006年第3四半期にリリース予定

 今後については、次期バージョンの「Firefox 2」を2006年第3四半期にリリースする予定だとした。また、2006年にはInternet Explorer 7もリリースされ、Webブラウザの状況に大きな変化が訪れると語った。さらに次のバージョンの「Firefox 3」は2007年前半にリリース予定で、メールソフト「Thunderbird 2」も2006年第4四半期にリリースする予定だという。

 このほか、MozillaではJavaScriptに関する多くの研究により、Ajaxを利用するアプリケーションへの貢献を行なっていきたいとしたほか、モバイル機器などへの組み込みを想定した「Minimo」プロジェクトや、サーバーサイドの拡張機能などについても開発を進めていくと語った。

 セミナーの参加者からは、現状は携帯電話ではOperaが多く採用されているが、Minimoは今後どのようにして採用に向けた活動を行なっていくのかという質問が寄せられた。Lilly氏は「現在、モバイル環境には標準的なプラットフォームが存在せず、混沌とした状況にあると思う。ただ、Minimoはまだ準備が十分にできておらず、現状ではOpera Miniの方が優れていることを認めなくてはならない」と答えた。ただし、「Opera MiniはAjaxに対応しておらず、新しいWebアプリケーションが利用できないが、Minimoは少しは対応している」として、PCと同様の環境をモバイルにも求めるユーザーに対して、さらに開発を進めていきたいとした。


Mozilla製品のユーザー数の推移 Mozilla製品の今後のリリース予定

関連情報

URL
  Mozilla Japan
  http://www.mozilla-japan.org/


( 三柳英樹 )
2006/03/02 18:51

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