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CGM系コンテンツの利用者数推移
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社団法人日本広告主協会のWeb広告研究会は7日、「第14回WABフォーラム」を東京都内で開催した。「Web2.0時代のCGMについて」と題したトークセッションが行なわれ、ブログやSNSなどのCGM(Consumer Generated Media)が、企業に与える影響などが議論された。
ネットレイティングスの調査によれば、CGM系のコンテンツは、2004年が分岐点となって爆発的にアクセスが集まるようになったという。特に、2ちゃんねるとウィキペディアの月間利用者(2006年7月)は1,000万人を超えている。1人あたりの月間利用時間(同)では、mixiが4時間16分で圧倒的に多く、YouTubeが1時間11分で続いた。なお、2005年9月時点では、インターネットユーザーのうち4分の3がCGM系のコンテンツを利用していたという。
● 顧客がCGMで伝えたくなる商品を作るべき
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アサヒビールの横山和幸氏
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アサヒビールの横山和幸氏は、CGMが普及したことによる効果を次のように分析する。「情報発信者が増え、商品に対する影響力が高まった。口コミの場合と比べ、情報の伝達スピードが格段に上がった」。ただし、一部の企業では、CGMを提供することが目的となっていると指摘。「企業が情報を操作するのではなく、顧客がCGMを使って伝えたいと思うような商品を作るべき」との考えを示した。
カカクコムの村上敦浩氏は、同社が運営するレストランの口コミ情報サイト「食べログ.com」を紹介した。食べログには、口コミ情報8万件、店舗情報5万件、画像5万件の投稿が寄せられている。
村上氏によれば、食べログは、掲示板やブログ、SNSなどのCGMの長所を取り込んだ進化したCGMだという。掲示板などの匿名サイトは情報に対する信頼性が低かったが、食べログでは、個人のページを開設することで、情報発信へのモチベーションが向上。その結果、ユーザーが投稿する情報に対する責任感も生まれた。
ブログやSNSとの違いとしては、情報が目的別に整理されている点を挙げる。例えば、「渋谷 焼き肉」というキーワードでブログ検索を行なっても、検索結果から店舗の評価を知ることは難しい。しかし、食べログでは、レストランの場所や料理のカテゴリが整理されている上、各店舗への評価も行なわれていることから、メディアとして活用できるとした。
● CGMの成功例は「男前豆腐店」と「涼宮ハルヒの憂鬱」。その共通点は……
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カレンの四家正紀氏
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マーケティング支援を手がけるカレンの四家正紀氏は、CGMが普及したことにより、バイラルマーケティング(ウイルスが自己増殖するように、口コミで情報が伝わること)が現実化したと指摘する。その具体例として、「男前豆腐店」と「涼宮ハルヒの憂鬱」の2つを紹介。四家氏によれば、2つの共通点は「品質の高さ」と「(他人に語れるような)ネタの濃さ」にあるとし、「最も重要なのは商品そのものである」と強調する。
男前豆腐店は、「男前豆腐」「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」「厚揚げ番長」など、変わったネーミングの豆腐商品を販売する食品メーカー。四家氏によれば、商品の特徴としては「味が美味い」と「高価格」なことだ。また、TシャツやCDといったオリジナルグッズも販売している。
こうした独特の世界観を展開した結果、「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」をブログ検索サービス「Technorati.jp」で検索したところ、2005年8月ではエントリ数が739件だったが、9月7日では18,611件と急増。mixiでも、男前豆腐店に関するコミュニティができたことなどから、1日4万パックを出荷する大ヒット商品になったという。
「涼宮ハルヒの憂鬱」は、UHF局で深夜に放映されていたアニメ。ゴールデンタイムで放映されているわけではないが、最近ではDVDやCD、書籍などの関連商品がAmazonで売れ筋となっている。この背景には、YouTubeとブログによるバイラルマーケティングが影響していると指摘する。
「これまでは番組を見逃してしまうと、再放送されるまで待たなければならなかった。しかし今では、違法ではあるが、番組がYouTube上にアップロードされている。そのため、再放送まで待たずに、アニメの楽しさが語れるようになった。また、アニメ自体が細かく作り込まれているので、涼宮ハルヒの憂鬱を論評するブログが大量に登場した」
● 情報操作は企業のブランド価値を下げかねない
四家氏は、CGMを活用するための3つのポイントとして、「自社らしさ」「商品・サービスらしさ」「自分(サービスの担当者)らしさ」を打ち出すべきだと訴える。もう1つの重要な点として、「情報を操作するステルスマーケティングは避けるべき」と指摘する。
「自らの体験を通した言葉でないと人は動かせない。個人のブログはそれほど技巧的でないが、男前豆腐の美味しさは伝わってくる。一方、ブログで情報操作をしようとしても心は動かせない。そればかりか、ブランドの価値も下げかねない」とアドバイスした。
関連情報
■URL
Web広告研究会
http://www.wab.ne.jp/
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( 増田 覚 )
2006/09/08 14:50
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