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米Googleのチーフテクノロジストを務めるMichael Jones氏
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シーネットネットワークスジャパンは26日、「CNET Japan Innovation Conference 2006 Autumn」を都内で開催した。冒頭の講演では、米Googleのチーフテクノロジストを務めるMichael Jones氏により、Google EarthやGoogle Mapsといった地図サービスにGoogleが取り組んでいる意図についての説明が行なわれた。
Jones氏は、Googleの活動の目的を「世界中の情報を体系化し、誰でも普遍的にアクセスでき、便利にする」ことであると説明。特に「誰でも」「普遍的に」アクセスできるために、さまざまな言語への対応や、WindowsだけでなくMac OSやLinuxなど複数のプラットフォームへの対応を進めているとした。
Jones氏のチームはGoogle EarthやGoogle Mapsを手掛けているが、チームの目的はGoogleの目的と同じものだと語る。つまり、これらのサービスは地理的に世界の情報を整理し、誰でも普遍的にアクセスできるようにするもので、「Google EarthやGoogle Mapsは単なる地図ではなく、世界中の情報を地図の上に乗せているものだ。情報にもいろいろな種類があり、中には地図の方が伝えやすい情報がある」と説明する。
その上で、なぜGoogleがGoogle Earthを開発しているのかという点について、「Webブラウザを1つのビューポート(のぞき穴)と考えると、WebブラウザからはWebページによりビジネスやニュースといった情報を見ることができる。同様に、我々はGoogle Earthという別の種類のブラウザを作っている。Webページではなく、場所に関する情報を閲覧できる『アースブラウザ』だ」と語った。
Jones氏は、こうしたツールを提供することでさまざまな問題を解決していくのが目標であるとして、現在取り組んでいる3つのツール「Google Maps」「Google Maps API」「Google Earth」を紹介。また、日本語版のGoogle Mapsについて、「講演の30分前に新しくなったばかり」だとして、日本語版の描画がリニューアルされたことを紹介した。
Google Earthについては、ダウンロードベースで既に1億人のユーザーがいるとして、世界に影響を与えるツールになってきていると説明。また、Google Earthを利用して作成されたコンテンツとして、2005年に米国を襲ったハリケーン「カトリーナ」の進路、アジアにおける鳥インフルエンザの感染状況、レバノンの空爆状況などを挙げ、時系列に沿って地図上で状況がどのように変化していくかをわかりやすく見ることができるとした。
Jones氏は、「Google Earthによって、地球を新しい方法で理解できるようになった。地球で何が起きているのか、これからどうなるのか、これまでどのようなことが起きたのか。それがどのような意味を持っているのか。その知識を提供するのが我々の役割であり、それによって世界を良い方向にしていきたいと思っている」と語り、講演を締めくくった。
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Google Earthは場所に関する情報を閲覧する「アースブラウザ」だと説明
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レバノン空爆の状況をGoogle Earthで可視化したコンテンツ
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関連情報
■URL
CNET Japan Innovation Conference 2006 Autumn
http://japan.cnet.com/info/cjic200609/
Googleマップ
http://maps.google.co.jp/
Google Earth
http://earth.google.co.jp/
■関連記事
・ 「Googleマップ」の地図表示が変更、日本の地図に合わせた独自対応(2006/09/26)
( 三柳英樹 )
2006/09/26 19:53
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