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イベントレポート
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アナログ停波後の周波数帯域を利用したマルチメディアサービス
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UQ Com田中社長、高速&オープン志向「UQ WiMAX」のメリット語る
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主催者企画コーナーでは「ServersMan@iPhone」のデモも
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国内初のデジタルサイネージ展示会、裸眼で見られる3D映像など
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【 2009/06/10 】
CO2排出量が都内最多の地域、東大工学部のグリーンプロジェクト
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「Interop Tokyo 2009」展示会が開幕、今年はひろゆき氏の講演も
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ビジネスブログのリスクと対策、壇俊光弁護士が講演


 ビジネスブログやSNSに関するイベント「Business Blog & SNS World」が、11月16日と17日の2日間にかけて開催されている。初日の16日には、弁護士の壇俊光氏による「ブログのリスクと対策~Web 2.0時代のリスクマネージメント」と題した、ビジネスでブログを利用する上でのリスクについての講演が行なわれた。


コメントなどを放置すると開設者の責任が問われる可能性も

壇俊光弁護士
 壇氏は、Winnyの開発者が著作権法違反の幇助の罪に問われている裁判において、弁護団の事務局長を務めている。今回の講演はWinnyとは関係なく、ブログの内容が名誉毀損や著作権法違反に問われる可能性など、法的な側面から企業がブログを利用する上での注意すべき点などについて解説した。

 企業におけるブログの利用については、コンテンツ作成の容易さや、トラックバックやコメントなどによるコミュニティの形成などのメリットがあることから、多くの企業でもブログが利用されるようになってきていると分析。一方では、コメントやトラックバックなど、ユーザーの声が反映される部分の仕組みが、トラブルの原因にもなりやすいとした。

 壇氏は、ブログで発生しやすいトラブルとして、批判的なコメントがブログに殺到するいわゆる「コメントスクラム」の問題や、コメントの内容が名誉毀損にあたると指摘されるケースなどを例示。特に、他人の名誉を毀損するようなコメントがあることを知りつつ放置した場合には、ブログの開設者も責任を問われる可能性があると指摘した。しかし、反対にコメントを削除したことによって、コメントを書いた人の表現の自由の侵害とされる可能性もあり、対処には慎重を要するとした。

 コメントに対して抹消請求が来た場合の注意点としては、できればコメントを削除するのではなく、非公開(非表示)の状態にする方がより良い対応だとした。これは、コメントを完全に削除してしまうと、後で戻そうと思っても戻せなくなることや、発信者情報が必要となった場合などに対処が難しくなるためだ。

 また、実際の対処については、権利侵害が明らかな場合には直ちに非公開にした方が良いが、多くの場合には権利侵害であるかどうかは判断が難しいため、こうした場合にはプロバイダー責任制限法に基づいて、可能であればコメントを書き込んだ本人にコメント抹消の可否を照会し、7日以内に返答がなければ非公開にするといった対応を例示。コメントが権利侵害にあたるかどうかがよくわからない場合には、とりあえず非公開にしておくことが安全な対応だとした。

 壇氏は、このほかにブログで発生しやすいトラブルとしては、商標や著作権の侵害に関する問題を挙げた。著作権侵害の問題については、P2P型のファイル共有サービスを提供していた日本MMOが訴えられた「ファイルローグ事件」を紹介。この事件の裁判では、行為の内容や性質、送信可能化状態に対する管理支配の程度、受ける利益によってはサービスの利用者でなく運営者が著作権侵害の主体となりうるという判断が示されている点が注目に値すると指摘。ブログのコメント欄に著作権侵害や名誉毀損にあたる書き込みがあった場合に、放置しているとブログの開設者の責任が問われる可能性があるとした。


コミュニティの論理を理解しないとビジネスとしては失敗する

 また、ブログなどのコミュニティの力をビジネスに利用する際には慎重を要するとして、エイベックスがアスキーアート由来のキャラクターを「のまネコ」として商標登録を行なおうとしてトラブルに発展したケースを紹介。この問題では、エイベックス側に商標法上の問題はなく、著作権侵害にあたる可能性も少なかったが、法律で許されるからと言って問題が無いとは言えないと指摘。ネットで生まれたコミュニティは強力な顧客吸引力を生み出すが、コミュニティのコントロールはとても難しく、コミュニティの論理を理解しないとビジネスとしては大きな失敗になると述べた。

 ブログに関する注意点としては、コミュニティの中にはパソコン通信の時代から続く独自の文化があり、自分達の文化を理解できていない者に対しては時として激しい攻撃をする傾向があると分析。また、多くのブログは日記形式のため、個人的な日記に書くような感覚で自身の不道徳な行為や企業の内部情報を書いてしまうケースもあり、ビジネスブログは商売に固執すると魅力が失われるが、あまりに私的な内容はトラブルを生みやすいとした。

 壇氏は「新しいコミュニティには新しいリスクが伴うが、ネットワークを健全に利用して強力なビジネスツールに発展させていくのがブログ利用者の責務だ」と述べて講演を締めくくった。


関連情報

URL
  Business Blog & SNS World
  http://www.idg.co.jp/expo/bbsns/


( 三柳英樹 )
2006/11/17 13:50

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