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東京大学の坂村教授
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T-Engineフォーラムとトロン協会が主催する第23回トロンプロジェクトシンポジウム「TRONSHOW2007」が12月5日から7日まで、東京国際フォーラムで開催される。それに先駆け4日、TRONSHOW2007の見所や展示物の一部を紹介する記者発表会が行なわれた。
TRONSHOW2007では、「次世代リアルタイムシステム技術展」と「ユビキタス・コンピューティング国際シンポジウム」が併催される。次世代リアルタイムシステム技術展は、主に組み込みシステム向けのオープンプラットフォーム「T-Engine」や、組み込み向けリアルタイムOS「T-Kernel」を中心とした技術を展示・紹介。ユビキタス・コンピューティング国際シンポジウムは、ユビキタスID技術の基礎から応用、適用方法などを展示・紹介する。
また会場では、ucodeタグを内蔵した来場者証を用いて、ポイントラリーを実施するほか、マルチコード相互運用実証実験として「携帯メール情報配信機能」や「エリア状況表示機能」を提供する。携帯メール情報配信機能は、会場内の電子タグ読み取り機に来場者証をかざすと、当該エリアの情報が事前登録した携帯電話のメールアドレスに配信されるもの。エリア状況表示機能は、電子タグ読み取り機に来場者証をかざしたときに、誰がどのエリアに移動したかを追跡するもので、実証実験ブースで会場内の人の動きを確認できる。
T-Engineフォーラムの会長であり、TRONSHOW2007の実行委員会委員長でもある東京大学の坂村健教授は、「未来のイメージ(何ができるのか)を紹介するのがユビキタス・コンピューティング国際シンポジウムで、それを実現する技術を紹介するのが次世代リアルタイムシステム技術展。ユビキタス展示エリアでは、政府ブースにも注目してもらいたい。各省庁が別々に推進していたプロジェクトを、ucodeを使って連携していくところを紹介している」と説明した。
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T-Engineショーケース
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ユビキタス・ショーケース
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ucodeタグによるポイントラリー
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来場者も参加して行なう実証実験
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● 電子タグを埋め込んだ“しゃべるコンクリート”などを展示
YRPユビキタス・ネットワーキング研究所は、携帯情報端末「ユビキタス・コミュニケータ(UC)」の新モデルを発表した。有線および無線タグに対応できるのが特徴で、例えば、商品などに貼り付けられたタグ(ucode)を読み取って情報を得たり、電波や赤外線通信で発信されているucodeを受信して、場所の情報を得ることができる。
本体には、3.5インチの有機ELディスプレイを採用。サイズは118×70×15mm(縦×横×厚さ)。重量は145g。メモリは64MBで、マスストレージにミニSDを使用。無線LANはIEEE802.11bで、Bluetoothにも対応する。アタッチメントは、音声出力・入力のほか、ucode取得デバイスなど。価格は未定で、2007年第1四半期よりシステム構築者向けに販売を開始する。
また、新型のアーゴノミクスキーボード「μTRONキーボード」も発表。トロンプロジェクトが研究・開発した日本人に合ったキー配列「TRON配列」を採用し、中央から2つに分離して、手の位置にフィットする傾斜をつけられる。左右対称のデザインも特徴だ。これにより、筋肉の緊張を軽減し、肩こりや腱鞘炎を防止するという。価格は未定で、2007年第1四半期より販売開始する。
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新型のユビキタス・コミュニケータ
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有機ELディスプレイにより太陽の下でも見やすい
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μTRONキーボード
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自然な体勢でのキータッチを実現
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このほか、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所と住友大阪セメントは、コンクリートにucodeを内蔵した「電脳コンクリート」を発表した。コンクリートの外側から1cm程度の部分にucodeを埋め込み、専用端末で読み取ることで、コンクリートの品質情報などを確認できる。
住友大阪セメントでは、品質や製造方法、生産年月日などを購入者も確認できる「コンクリート製品トレーサビリティシステム」を構築するほか、ビルやマンションにも応用し、利用者が建築物の情報(建設年月日、耐震強度など)を知ることができる「建築物トレーサビリティシステム」の実現を目指すという。
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電脳コンクリートの断面
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ICTコンクリートパネルにucodeを内蔵した利用方法
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関連情報
■URL
TRONSHOW2007
http://www.tronshow.org/
( 野津 誠 )
2006/12/05 11:30
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